キャリアデザインとは何か知っていますか? あなたの未来を、自分で切り開いていく力を持つための考え方です。先の見えない世の中で、自分でキャリアを考える重要性は高まっています。
ここでは、プランニングとの違いや実践するメリットを説明します。具体的な方法も解説しますので、ぜひ自分だけのキャリアをデザインしてみてください。
目次
キャリアデザインとはなにか
キャリアデザインの意味は以下のとおりです。
出典:キャリアデザイン|コトバンク(人事労務用語辞典の解説)
キャリアデザインでは、仕事を人生の一部と考え、自分の理想の将来像を描きます。どのように自分のスキルを活かすか、能力を生かすためにはどのような仕事をしていけばいいかなどを、主体的に考えることが重要です。
キャリアというと、出世や転職についてイメージする人が多いと思います。しかし、仕事はライフイベントや日常生活とも密接な関係にあります。つまり、キャリアデザインを考えることは、自分自身の生き方を考えることにもつながります。
なぜ今、キャリアデザインが必要なのか
昨今、このキャリアデザインの重要性が高まっています。日本型雇用制度が機能しているときは、自分のキャリアを自分で考える必要性はあまりありませんでした。企業で働いていれば、年功序列で出世でき、終身雇用で定年まで働けたからです。昇給も定期的に行われ、半ば自動的にキャリアアップが可能でした。
しかし、現在は、終身雇用は崩壊しています。「入社すれば、定期的に昇給や出世をできる」という保証はなくなります。一つの企業所属すれば、自動的にキャリアアップできる時代ではありません。そのため、主体性を持ち、自分自身のキャリアを切り拓く(=キャリアデザイン)が必要なのです。
キャリアプランニングとの違い
キャリアプランニングという言葉もよく耳にします。キャリアプランニングもキャリアデザインも「自分で自分のキャリアについて考える」ことは共通しています。しかし、キャリアデザインとキャリアプランニングには異なる点があります。
キャリアデザインは、自分はどう生きていきたいかという視点でキャリアを考えます。
一方キャリアプランニングでは、理想のキャリアを達成するために、目標を細分化して計画を立てます。
上記のように、理想を実現するための具体的な行動目標をキャリアプランニングと言えるでしょう。
キャリアデザインの2つのメリット
キャリアをデザインをすると「モチベーションアップ」「選択肢が広がる」という2つメリットがあります。
目まぐるしく変化するビジネス環境の中、キャリアアップの要素はとても不安定です。将来の仕事や生活でも、何が起こるかは予測不可能でしょう。キャリアデザインでモチベーションを向上させ、仕事への選択肢を増やしましょう。不安定な時代でも生きていける自分の「軸」ができるはずです。
モチベーションアップ
自分でキャリアデザインを行うと、モチベーションが向上します。日々の仕事に、自分の理想に近づくために、主体的に取り組めるからです。
目指す理想や目標は、あなた自身で考え出しましょう。自分で理想や目標を決めるからこそ、資格をとったりスキルを磨いたりする努力が続きます。これが、自分でキャリアデザインをすることの意義であり、本質かもしれません。会社や上司に決められ目標では意味がありません。キャリアデザインは、自分の軸を基盤にして、納得のいく経験を積み重ねるために必要です。
また、キャリアデザインは、あなたが仕事で感じる価値や自己肯定感、貢献認識度にも影響します。上司や同僚から仕事で評価されることは重要です。しかし、自分で自分の仕事に価値を感じられれば、仕事はさらに充実するでしょう。
このように、キャリアデザインに沿って考えて行動するとき、あなたは高いモチベーションを持って仕事ができるでしょう。何をするにも、自分の掲げた理想の生き方や目標に向かっていると思えるはずです。随所で結果を出せたときも、納得のいく上質な達成感が得られると思います。
選択肢が広がる
キャリアデザインは「自分の生き方も含めてキャリアを考えること」とお伝えしました。働き方改革が進み、働き方が多様化している現在、キャリアの選択肢も増えています。
自分でキャリアをデザインすれば、一つの会社に所属し働き続けることにとらわれなくなるでしょう。理想や目標を達成するために多くの選択肢を持てることはキャリアデザインの大きなメリットです。
「生き方視点」で自分のキャリアをデザインしましょう。
キャリアデザインの方法
ここから、キャリアデザインの方法を具体的に説明します。キャリアデザインは、「なりたい自分を想像する」「目標を設定する」「自分を分析して課題を認識する」「具体的な対策を考える」の4ステップで考えましょう。
では、一つ一つのステップを詳しく確認しましょう。
なりたい自分を想像する
はじめに、なりたい自分を想像します。この理想像が、あなたの将来におけるキャリアの「軸」となります。ときにエールとなり、ときに支えになり、どんな局面でも助けてくれる存在になるはずです。3~5年後などやや長めのスパンの理想像を描いてみましょう。生き方目線でなりたい自分を想像しましょう。
- どんなことで頼られる存在でいたいか
- どのような影響力を持ちたいか
- 毎日の理想の過ごし方は何か
大切なことは、まずは制限なしに、自分に正直になることです。 どうしてそうなりたいのかという理由を考えて、自分主体の理想像かどうかを確かめましょう。
目標を設定する
理想像が見えたら、目標を設定しましょう。大きすぎる、抽象的すぎる、幼稚、非常識に思えることでも大丈夫。理想のなりたい姿をイメージして、その映像が浮かぶものを選択してください。
また、いつまでに目標を達成するかも決めましょう。目標に期限がつくと、実現のための具体的な課題も設定できます。
この目標設定は、頭の中にぼんやりとあることを言葉にする段階です。言葉にしていなかったことの言語化に努めてみましょう。これが実現への第一歩です。目標に正誤はありません。それを目標として設定すればOKです。
自分を分析して課題を認識する
目標が見えたら、自分の現状把握を行います。以下の4点を洗い出しましょう。
- 自己分析を行う
- 現実的に考えて、変えられるものと変えられないものを見極める
- 目標に到達するための要素を考える
- 今、自分がクリアしているものと、この先必要なものを確認する
自己分析では、強みや長所、経験、スキルや資格などをしっかり把握します。目標を達成した自分と現状の自分を比べて、そのギャップを考えます。そのギャップを埋める要素を、課題として設定します。
くれぐれも自分のスキルや資格だけでの解決に頼らないようにしましょう。このときこそ、広い視点を持つようにしてください。自分の課題を明確に理解できれば、目標達成のために最適な手段が見つかるはずです。
たとえば、自分の苦手なことでも、誰かにとっては得意なことがあるはずです。誰かを巻き込めば解決するならば、あなたの課題はスキルの習得ではなく、人を巻き込むことでしょう。
目標達成のための具体的な行動を考える
目標を達成するための課題を、具体的な行動を起こすためのタスクまで落とし込みましょう。また、タスクには必ず期限を設けましょう。
即座に行動に移せないのであれば、タスク設定が不十分です。タスクを細分化して、日目標や週目標をなど、自分がすべき行動を明確にしましょう。
キャリアデザインの例
では、キャリアデザインで課題を具体的な行動に落とし込む例を挙げてみます。
目標例:世界を舞台に活躍するエンジニアになる
- 行動1:2年以内にTOEIC800点を取得、1か月20人と英会話、毎日15分アプリで学習する
- 行動2:オンラインやオフラインでのコミュニティへの参加、海外講義や講座受講
- 行動3:転職コンサルタントへの相談、企業情報のピックアップ、企業へのアプローチなど
海外で働くエンジニアになるためには語学力と最新技術の知識が必要でしょう。そのための行動として、コミュニティへの参加や、語学力向上が挙げられます。
目標例:フリーランスになって自由に働く
- 行動1:毎朝30分のランニング、7時起床22時就寝を習慣化。月ごとに支出と収入の計画をたてる。税制度や確定申告の方法を知る。
- 行動2:月2回は専門家に会いに行って話を聞く
- 行動3:自分のスキルをTwitterやnoteを定期更新する。セルフプロデユースにつなげる。
フリーランスとして活動するために必要な能力は「自己管理能力」「専門スキル」「人脈」が挙げられるでしょう。
フリーランスは収入請求、確定申告などを全て自分で管理します。経済知識は欠かせません。またセルフマネジメントがおろそかになれば、仕事に穴をあけてしまうかもしれません。そして、継続的に仕事を得ていくためには、自分にスキルを売り込む努力が必要でしょう。
キャリアデザインは、現代を自分らしく生きていくための方法です。キャリアデザインを考えることで、自分に必要なものとそうでないものを見極める軸ができます。変化が著しい上に、溢れかえるさまざまな情報に右往左往しないためにも大切なことです。ぜひ、どんな状況にも自分軸を保てるような、あなたらしいキャリアデザインを描いてみてください。