自分を知る
2018.06.29

Googleの親会社が着手するトロントの「スマートシティ化」に迫る

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BY Shirorisu

2017年10月に、カナダ最大の都市トロントにて、新たな都市計画が発表されました。トロントの南東部のウォーターフロントエリアを再開発し「スマートシティ」を構築するというものです。

同エリアの開発は、2001年に初めて計画が立てられました。カナダ政府、オンタリオ州政府、トロントによる「Toronto Waterfront(ウォーターフロント・トロント)」という再開発計画事業です。2017年の新たな発表によると、再開発にあたってGoogleの親会社であるAlphabet社の子会社「Sidewalk Labs(サイドウォーク・ラボ)」とパートナーを組み、「Sidewalk Toronto(サイドウォーク・トロント)」として事業を進めるとのことです。順調に進めば、2020年に本格的な開発が始まる見込みです。

トロントのスマートシティ化を手がけるSidewalk Labs

Sidewalk Labsは、テクノロジーやITを駆使した都市開発に特化した会社です。これまでに、観光客にWi-Fi提供するシステム「LinkNYC」をニューヨークで普及させたほか、交通データプラットフォーム「Flow」や、Flowを進化させた「Coord」など、都市開発に直結するツールを公開してきました。

そんなSidewalk Labsは、「生活の質を向上させる都市を再考する」という理念を持っています。

都市は大きく成長するにつれて、長い通勤時間や高い家賃、失業率の増加など、あらゆる問題に直面します。その問題は、最先端のテクノロジーによって解決できるかもしれません。しかし、世界中の都市はめまぐるしく成長し続けています。そのため都市とテクノロジーの融合は未だ実現できていません。

Sidewalk LabsがSidewalk Torontoで成し遂げたいことは、テクノロジーと融合した都市開発を急速に行い、世界中の都市開発の道標となり、新たな場所を創造すること。同社による、世界中の都市開発のハブとなる場所が、トロント南東部のウォーターフロントエリアなのです。

トロントのスマートシティ化はどのように行われるのか

トロントのダウンタウンは「ネイバーフッド」と呼ばれる地域に分かれて形成されています。チャイナタウン、コリアタウン、グリークタウン、リトルイタリー、リトルポルトガル、ビーチズ、ジャンクション、ファッションディストリクトなど、その土地を表す名前が付けられています。

Sidewalk Torontoのプロジェクトで開発するエリアの一部には、新たなネイバーフッドとして「Quayside(キーサイド)」という地名が付けられました。「波止場」という意味ですね。キーサイドを拠点に、800エーカー(およそ東京ドーム69個分)に広がるウォーターフロントエリアの敷地を開発していくようです。

トロントのスマートシティ化はどのように行われていくのでしょうか。Sidewalk Torontoが説明する展望を読んでみましょう。

まずは、住まいや小売店といった物件をモジュラー式の建設物で用意します。モジュラー式の建設物はブロックやコンテナのようなパーツを組み合わせて作ります。低価格かつ短い工期での建設が可能なので、住民により手頃な価格で物件を提供できます。

次に、車ではなく人々を中心とした公道をデザインし、手頃な価格で移動できる公共交通機関を構築をします。自家用車ではなく、公共の「自動運転車」で移動する都市の風景を描いているようです。人々は自家用車を手放すことで、車の維持費を削減できます。

エネルギーや廃棄物問題に関しても、再生可能エネルギーを利用し、新たなゴミ処理システムを取り入れることで、地球環境を守りながら革新を進めます。

さらに、地域の人々の繋がりも強化させます。家族みんなが公共の場において昼夜ともに安全に過ごせる場所を目指し、そのためにデジタル技術とデータを活用します。データを活用しながらも、プライバシーやセキュリティーを保つことは諦めないと説明しています。

スマートシティはユートピアかディストピアか

計画によると、早くて2022年から第一弾の入居者が住み始めるとのことです。まずは、グーグルのカナダ本社が同地に移転をし、従業員らが住み始めることが予定されています。都市開発において、あらゆるスタートアップ企業が集結することにもなるでしょう。現在はキーサイドに「Sidewalk Labs / 307」が設置されており、中を見学することが可能です。どんなアイデアを持って新しい都市を作っていくのか、Sidewalk Torontoの計画を知ることができます。ほか、ワークショップを通じてアイデアを交換したり、中学生を対象としたデジタルキャンプなども開催される予定です。

 

町を作るのは、町に住む人々です。最先端のスマートシティを作るとはいえ、多様な人が生活できるようにする必要があります。テクノロジーに慣れ親しんでいる層以外にとっても、住み心地がいい町になり得るのでしょうか。

スマートシティが完成したとき、そこはユートピアとなるのか、それともディストピアとなるのかは議論が続けられています。多文化主義をかかげるカナダには、親切で礼儀正しい人が住んでいます。そんな彼らが作るスマートシティは、世界中の人が羨望するユートピアとして完成することを強く願っています。

最終更新日
2018.08.03

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