歓送迎会やビジネスのミーティング、自己紹介など、英語でスピーチをする機会は多くあります。
英語のスピーチに苦手意識を持っている人は、この記事を読みましょう。原稿の準備やスピーチ時間と単語数の目安、構成の作り方など、英語スピーチのコツを余すことなくお伝えします。
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英語のスピーチを成功させる7つの準備
歓送迎会やミーティングなどで英語のスピーチをするとき、失敗しないようにするにはどうしたら良いのでしょうか?
英語のスピーチを成功させるにはいくつかコツがありますが、特に次の7点を意識して準備するといいです。
スピーチのシチュエーションを確かめる
まず「どのようなシチュエーションでスピーチをするか」を把握しましょう。
歓送迎会や会社でのミーティングなど、スピーチをする場面はあらかじめ決まっているはずです。スピーチのシチュエーションを確かめておくことで、その場にふさわしい内容を準備することができます。
スピーチの聞き手を確かめる
「誰に対してスピーチをするのか」を確認することも大切です。なぜなら、聞き手に合わせた内容に絞って準備できるからです。また、聞き手に合わせた表現も用意すれば、スピーチの内容を理解してもらえたり、話し手に興味を持ってもらえたりします。
具体的には、聞き手の年齢層や役職、性別、バックグラウンドなどを把握しておくと良いでしょう。相手が興味関心のある話題を盛り込めれば、聞き手の心に残るスピーチをすることができます。
スピーチの目的を決める
スピーチのシチュエーションや聞き手を確認できたら、スピーチの目的を明確にしましょう。目的を明確にすることで、スピーチが聞き手の印象に残りやすくなるからです。
例えば、ミーティングで会社の商品についてスピーチをするとなった場合は商品を理解してもらう。歓送迎会の場で自己紹介をするとなった場合は「自分を理解してもらう」といった具合です。つまり、スピーチをしたことによって「聞き手がどのような状態になってほしいか」を考えることが大切です。
聞き手が自分の思った通りの状態になったとき(スピーチの目的が達成されたとき)、そのスピーチは成功したといえるのです。
スピーチのテーマを絞る
スピーチの場では、聞いてほしい内容を何でも話すのは好ましくありません。聞いて欲しい内容を複数盛り込むと、聞き手に「何が言いたいのだろう?」という疑問を抱かせることになり、印象に残りづらくなるからです。
では、スピーチが聞き手の印象に残るにはどうしたら良いのでしょうか?それは「スピーチのテーマを絞る」ことで解決できます。スピーチのテーマを絞るというのは、スピーチを通して一番伝えたいことを用意するということです。例えば自己紹介の場合、仕事内容に絞って話せば、自分がどのような人かを聞き手に印象づけることができます。
テーマは複数ではなく、1つ用意するようにしましょう。
スピーチは三段構成で作る
スピーチを聞き手の印象に残すには、1.導入、2.本題、3.締めくくりの三段構成でスピーチを作ると良いです。各構成の作り方のコツは、次の通りです。
導入はスピーチの構成の中で最も重要な部分です。ここでは、スピーチのテーマや目的を提示しましょう。そうすることで、聞き手の興味を惹かせることができます。
本題は、自分の伝えたいことを明確に示す場です。ここでは、「一番伝えたいポイント」と「補足情報」の2点を盛り込みましょう。
まず、「一番伝えたいポイント」は、箇条書きにすると良いです。例えば、商品の説明をするときは、商品の特徴やおすすめポイントを箇条書きにするといった具合です。
そして「補足情報」は、一番伝えたいポイントに説得力をもたせるために必要です。例えば、新作バッグの説明において「耐久性に優れている」ということを伝えたいポイントの1つに挙げたとしましょう。そこで補足情報として「なぜ耐久性に優れているのか」という根拠を加えるのです。こうすることで、伝えたいポイントに説得力が生まれます。
締めくくりでは、再度自分の伝えたいことのポイントを短くまとめましょう。聞き手の理解度を高めることができます。
スピーチ原稿を書く
スピーチの構成を作ったら、原稿を書きましょう。原稿は三段階構成を元に、内容を詳しく詰めて書くと良いです。
内容のボリュームは、スピーチの長さによって変えましょう。例えば1分間の自己紹介をする場合、だいたい100~120語を目安に原稿を書くと聞きやすいスピーチになります。スピーチの長さにおいて目安となる単語数の詳細については、「スピーチ時間と単語数の目安」で紹介します。
声に出して練習する
スピーチの原稿を作成したら、スピーチの場をイメージしながら声に出して練習しましょう。このとき、時間を計ることが大切です。時間を計ることで、原稿でピックアップした内容がスピーチ時間内に収まっているかを確認できるからです。
また、聞き手の印象に残るスピーチをするために、著名人の名スピーチを参考にするのも有効です。例えば、アメリカの大統領のスピーチは聞きやすく、そして印象に残りやすいといわれているのでお勧めです。
以下は、アメリカ初の黒人大統領となったバラク・オバマ前大統領のスピーチです。参考にしてみてください。
スピーチ時間と単語数の目安
スピーチ時間は、1分と3分、5分が多いようです。それぞれのスピーチ時間では、単語数を意識すると聞き手がスピーチを理解しやすくなります。
1分と3分、5分のスピーチで最適な単語数は、次の通りです。
スピーチ時間 | 単語数 |
1分 | 100~120語
※シングルスペースの原稿用紙1枚で約9~11行分に相当 |
3分 | 300~360語
※シングルスペースの原稿用紙1枚で約27~33行分に相当 |
5分 | 500~600語
※500単語はシングルスペースの原稿用紙1枚で約45行、750単語はシングルスペースの原稿用紙2枚で約54行分に相当 |
話すスピードについては、1分スピーチの単語数を目安にすると良いです。つまり、100~120語/分ということになります。このスピードは、話し手からすると「ゆっくりし過ぎている」と感じる速さですが、聞き手からするとちょうど良く聞こえる速さといわれています。
また、カンマやピリオドで休止を入れながらスピーチをすると、聞き手にとって聞きやすいスピードになります。これは特に、長い文章を話す場合に有効です。一気に話そうとせず、適宜呼吸を整えながらスピーチをするようにしましょう。
シチュエーション別スピーチで使えるフレーズ
ここでは、歓迎会や送迎会、ビジネスミーティング、自己紹介のスピーチで使えるフレーズを取り上げます。
歓迎会で使えるフレーズ
冒頭では、新しい人を迎え入れることに対する喜びを表すと良いです。
- I(We) extend a warm welcome to you here.
(あなたをここにお迎えできたことを心から歓迎します) - It is my pleasure to welcome you here.
(あなたをここにお迎えできたことを大変嬉しく思っています) - Welcome to 〇〇〇.
(〇〇〇へようこそ)
※最初の2つはフォーマルなフレーズ、最後はカジュアルなフレーズです。相手に合わせて使い分けましょう。
本題では、新しく迎え入れた人に対する期待の気持ちを表しましょう。
- I(We) hope you will do your very best in performing your project.
(あなたが全力でプロジェクトに従事してくれることを願っています) - We are counting on you to do your best in performing a work.
(あなたが仕事に全力で取り組んでくれることを期待しています)
最後は、士気を高めるようなフレーズも入れると効果的です。
- I(We) would like urge you to work together.
(共に協力し合って働きましょう) - Let us enjoy working together.
(共に楽しく働きましょう)
送迎会で使えるフレーズ
冒頭では、まず送る側の寂しさの気持ちを伝えましょう。
- I’m(We’re) going to miss you very much.
(あなたがいなくなると、寂しくなります) - Your absence from here is an immeasurable loss.
(あなたがここから去るのは大きな損失です)
本題では、去る人への感謝の気持ちや、その人がどれだけ価値のある人であったかを伝えるフレーズを入れると効果的です。
- Thank you from the bottoms of our hearts.
(私たちはあなたに心から感謝しています) - Your contribution at our company has been impeccable.
(あなたはわが社において申し分のない貢献をしてくれました) - You have been a source of pride for us.
(あなたは私たちの誇りでした)
最後は、去る人への感謝の気持ちやこれからの生活での健闘を祈るフレーズを入れると良いでしょう。
I(We) wish you the very best of luck.
(今後のご活躍をお祈りしています)
ビジネスミーティングで使えるフレーズ
冒頭では、ミーティングに集まってもらったことへの感謝の気持ちを示しましょう。
Good morning(Hello/Good afternoon), everyone(Ladies and Gentlemen). First of all, thank you all for making the effort to attend this meeting.
(皆様、おはようございます。まず、このミーティングのためにお集まりいただきましたことに、感謝の意を表明します)
本題では、ミーティングの目的やミーティングで話す内容を伝えると良いです。
- The purpose of the meeting is to~.
(このミーティングの目的は、~です) - First on the agenda, 〜
(議題の一番目は~)
途中休憩を挟む場合は、以下のフレーズが使えます。
Let’s take a short break and meet back here in 〇 minutes.
(ここで休憩を挟みましょう。〇分後に、またここへお戻りください)
最後は、短めの締めくくりのフレーズを使いましょう。
- That’s it for now. Have a nice day, everyone.
(以上です。それでは、良い一日を) - That’s it. Thank you.
(以上です。ありがとうございました)
自己紹介で使えるフレーズ
会社(部署)を代表してスピーチに臨む場合は、冒頭で自分の所属先や役職などを伝えましょう。
- I’m 〇〇, from □□□.
(私は□□に務める(所属する)〇〇と申します) - My name is 〇〇, a manager of □□□.
(私は□□□のマネジャーをしております〇〇と申します)
また、自己紹介の場を設けてもらったことへの感謝の意を表現しても良いです。
Thank you for giving me an opportunity to speak about myself here.
(ここで自己紹介をする機会を与えていただき、ありがとうございます)
本題では、まずこれから何を話すのかを明確にしましょう。
- I’d like to talk about~.
(これから~についてお話します) - Let me tell you about~.
(~についてお話したいと思います)
最後は、「よろしくお願いします」の意味を持つフレーズで締めくくりましょう。
I look forward to working with you. Thank you.
(皆さんと働けることを楽しみにしております。よろしくお願いします)
スピーチを盛り上げる4つのテクニック
スピーチをするときただ原稿を読んでいると、聞き手にとっては一方的に話しているようにしか聞こえません。そして、どこかスピーチのポイントなのかも伝わりにくくなります。
聞き手に興味を持ってもらうには、次の4つのテクニックを使ってスピーチを盛り上げることが大切です。
ボディランゲージ
ボディランゲージは、自分の伝えたいことを聞き手に印象づけるために有効な手段です。なぜなら、全身を動かすことによって、聞き手の注目を集められるからです。
英語のスピーチをするときは、照れ臭い気持ちを振り切ってボディランゲージを実践してみましょう。
ジョークを入れる(ユーモアのアピール)
英語のスピーチは、ジョークを入れることによって場を盛り上げられると考えられています。
難しいジョークを入れる必要はありません。日常生活で何かジョークになりそうな面白いことがあったら、それをスピーチに盛り込んでみると良いでしょう。
間を入れる
人と会話をしているとき、相手が間もなく一方的にずっと話していたらどう感じますか?聞き手であるこちらは、徐々に退屈になってきますよね。これは、スピーチに関しても同じことがいえます。
スピーチをするときは、適宜間を入れるようにしましょう。そうすることで、スピーチのポイントが聞き手に伝わりやすくなります。
リズムのある単語を使う/決め言葉を作る
リズムのある単語を使うことで、スピーチに抑揚が生まれます。例えば、語呂が良い単語を取り入れてみると良いでしょう。
また、スピーチの締めくくりに決め言葉を入れるのも良いですね。例えば「今日は素敵な時間を作れて幸栄です。ありがとうございました」というような、聞き手に対して感謝の気持ちを伝えるフレーズを盛り込むのも有効です。そうすれば、良い雰囲気のままスピーチを終了させることができるでしょう。
英語のスピーチは、聞き手に合わせた内容を考えて万全に準備をすれば成功します。また、スピーチの時間を意識して原稿を作ることも、スピーチを失敗させないポイントになります。
さらに、ユーモアを入れられるようになれば、スピーチも盛り上がって聞き手に強い印象を与えることができるはずです。英語のスピーチのコツをマスターして、良いスピーカーになりましょう。