自分らしく働く
2019.03.19

外資系企業のLGBT企業内施策事情(前編)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
BY アース編集部

こんにちは、アース編集部です。EARTH LABでは、ミレニアル世代の働き方に注目し、さまざまな情報をお届けしています。今回は、Earth Technologyのグループ会社である株式会社バイリンガルゲートの人事採用担当が、採用活動をしていく中で感じた、ダイバーシティ・LGBTの問題について紹介します!

大きい企業になればなるほど、予算を確保しやすいためLGBTの方を受け入れるための施策を実施しやすくなります。ですが、その分全社員への浸透や実際の運用にいたるまでの時間がかかるもの。

そこで、今回は在日外資系企業のLGBT企業内施策についてまとめてみました。日本企業の人事担当者には参考になるものばかりではないでしょうか。ぜひチェックしてみてください。

 

LGBT企業内施策 保険・金融業界

アフラック

アフラックの商品では、①同性パートナー死亡保険金受取人の指定②被保険者の性別変更への対応をLGBT当事者向けに行っています。

また商品だけでなく、もちろん企業内でLGBT当事者の社員への取り組みも行っています。

当社では、性表現、性自認、性的指向などに捉われず、さまざまな能力や発送、価値観を持つ社員が有機的に動き、その能力を最大限に発揮できる環境を創ることで新たな価値を創造していくことを目指します

出典:アフラック 2017年7月28日付 ニュースリリース LGBTに関する取り組みについて

同じニュースリリース内で企業内での取り組みとして、以下が紹介されています。

  • 方針の明文化
    全役職員が遵守すべき指針に性的指向性同一性に基づく差別は行わないことを明記
  • 相談窓口の設置
    社内外に相談窓口を設置し、社員からの個別相談に応じる体制を整備
  • 教育の実施
    LGBTの理解促進を目的とした教育を定期的に実施
    (全役職員向けe-learning、管理職向け講演会、採用担当者を含めた人事部門への研修等)
  • 福利厚生制度
    慶弔見舞金や休暇などの制度利用において、「同性パートナー」を「異性パートナー」と同様の取扱いを開始

アフラックが提供するサービスのユーザー向けはもちろん、社内に向けたLGBT施策とその共有が徹底されているのがわかります。日本の企業は、どちらかといえばユーザーを優先する傾向にあると思います。全社員の働きやすさへの取り組みとしては、日本企業もぜひ取り入れて欲しいですね。

ゴールドマン・サックス

ニューヨーク・ウォール街に本拠地を持つゴールドマン・サックス。2004年に社内にLGBTネットワークを設立しました。そこから社内で働くLGBT当事者たちへの理解を深める努力を当事者・ALLY(アライ)が手を取り合って行っています。

LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)ネットワーク LGBTの社員がありのままの自分でいられ、能力を発揮できる職場環境づくりを支援することを目的に2005年発足。当事者のみならず支援する社員(アライ)*を含めたメンバーで活動。LGBTへの理解促進研修のプログラム・デザインや、リクルーティング活動も人事部と協同で行っています。

出典:ゴールドマン・サックス 会社情報/ダイバーシティ ネットワーク活動

また企業HPにてLGBTネットワークに関する動画を視聴することができます。
その中である社員が以下のように語っています。

私たちにとって重要なのはLGBTの人たちに親切な大勢の中の一人でいることではなく、リーダーでいることなのです

LGBTの理解促進のためにこれからも率先した活動を行うこと、また自社の取り組みを誇りに思うことを話しています。日本企業もここまで早く追いつけばいいな、と心から思えるような動画でした!また日本法人においても、アメリカの制度と一部同じものを導入しています。

ドメスティック・パートナー
事実婚関係にあるパートナーを同姓・異性に関わらず「ドメスティック・パートナー」と認定し、法的配偶者と同様に取り扱うなど、出来る限り公平な制度となるように努めています。

そのほかにも、フレキシブル・ワーク・アレンジメントや、在宅勤務、自宅からビデオ会議へ参加できるテクノロジーなど、情報管理を徹底した上で、柔軟な働き方を促進する制度を整えています。

出典:ゴールドマン・サックス 会社情報/ダイバーシティ 福利厚生

LGBT企業内施策 通信業界

日本IBM

LGBTへの取り組みは、米国IBMでは1980年代に既に始まっていました。1995年に米国IBMでダイバーシティの8つの委員会が発足し、LGBTに関してはゲイをカミングアウトしている役員がリーダーに就任

「各国のIBM社内でカミングアウトしやすい雰囲気をつくるために社内データベースを構築し、LGBTに関する情報を閲覧できるようにする」「年4回程度グローバルでの電話会議を開催」といった、カミングアウトしていない社員が匿名で参加できるよう配慮しつつ、積極な活動を行ってきました。

日本IBMも十分にその企業文化を受け継いでおり、LGBT企業内施策に非常に真摯に取り組んでいます。

同性パートナーを配偶者と同等に
2012年から、結婚祝金を事実婚にまで拡大し、同性のパートナーとの事実婚も対象としました。2016年1月にはその方針をさらに強化し、社員が配偶者と同じと考える同性のパートナーを登録する「IBMパートナー登録制度」を日本IBM独自に新設。パートナーを事前に登録することで、必要な時に特別有給休暇や赴任時の手当、慶弔金などの福利厚生や人事制度についてパートナーを配偶者と同等の扱いにできるようにしました。利用対象となるのは以下の制度です。
<特別有給休暇>
結婚、パートナーの出産、パートナーまたはパートナーの子の死亡、パートナーの父母または兄弟姉妹の死亡、正社員が国内赴任で新勤務地に家族(パートナーを含む)帯同で赴任するとき、家族の看護、介護など
<休職(無給)>
育児、介護
<慶弔見舞>
慶事:結婚祝金*、出産祝金
弔事:社員のパートナー、パートナーの子女、パートナーの父母
* 結婚祝い金は2012年から支給
<赴任旅費>
赴任手当、別居手当、一時帰省の補助など
日本IBMでは、今後も関係機関の動向を確認しながら、制度の拡大を検討していきます。

出典:日本IBM Diversity LGBTへの取り組み

日本オラクル

アメリカ・カリフォルニアに本社を置くオラクル社。米国本社はもちろん、日本オラクル社においてもLGBT企業内施策は活発です。

LGBT対応を包含する多様性のある福利厚生制度

日本オラクルでは「ダイバーシティ&インクルージョン」を推進し、性別、年齢や国籍など多様化する人材を積極的に採用、長期的に活躍してもらうための環境を整えている。新規採用者の女性比率が向上し、外国籍の人材も多数在籍している。このように多様化する人材を受け入れ、企業として高い生産性を発揮するために、2017年1月にLGBT対応も包含した福利厚生制度へと拡充した。

具体的に、同性カップルや事実婚などの関係にある社員に対しても、法令で婚姻関係にある社員が享受できている福利厚生制度等を可能な限り同様のレベルで適用するよう制度改定を行った。例えば、慶弔金や育児・介護休職や家族を対象とした傷病休暇、あるいはカフェテリア・プラン(選択型福利厚生制度)の家族対象のメニュー、さらには企業負担の加入保険についても適用を拡大した。多様化する社員にとって「働きがいのある会社」として前進する取り組みを人事制度の面でも積極的に取り入れている。

出典:日本オラクル 日本オラクルについて 特集記事 日本オラクルのLGBT対応 5つの取り組み

また、これに加え社内のLGBTへの理解を推進する「OPEN」というコミュニティが存在します。「OPEN」とは「Oracle Pride Employee Network」の略で、共通の問題意識をもった社員同士がつながり、コミュニティで認識する課題について社内の理解を促す環境づくりに取り組んでいます。

カジュアルな雰囲気の中、当事者とアライが情報交換を行う定例のランチ会や、OPENに属していない社員向け勉強会の定期開催などの活動を行っています。

その他にも企業の特性を活かし、クラウドサービスを活かしたものを展開するなど、ご紹介したい点はたくさんありますので、また詳細を別記事でまとめさせて頂きます!

LGBT企業内施策 研究・専門サービス業界

アクセンチュア

アクセンチュアの企業HPを拝見して一番驚いたのは、職場での性別転換ガイドが設置されているという点です。これまで外資企業で福利厚生にパートナーが同条件であったり、性別変更の手続きができる、というものは拝見してきました。しかし企業内にガイドがある、というのは画期的ではないでしょうか?

もちろん福利厚生などの面もしっかり対応しています。そのうちひとつがこちら。

ライフパートナー制度

異性パートナーに適用している人事福利厚生制度の中で、結婚休暇*2、出産休暇、育児休業、介護休業、忌引き休暇の取得、また一部の社内イベントにも参加が可能です。今後も更なる制度適用範囲の拡充を進めていきます。

出典:アクセンチュア インクルージョン&ダイバーシティ 多様な人財の更なる活躍にむけてLGBT

また企業内に「LGBTネットワーク」が存在し、性的指向や性別認識に対する差別を防ぎ、正しい認知を高める活動を行っています。

EY Japan

ロンドンを本拠地として、世界各国で会計・税務などでサービス事業を展開するErnst & Young(略称EY)。世界四大会計事務所(Big4)の一角を占めています。

さすが世界的に大きなグループ企業、きちんとLGBT企業内施策にも取り組んでいます。

EY Japanは、LGBTの職員が安心して働ける環境づくりを目指しています。2017年8月には、EY Japanのすべてのサービスラインが、社員・職員の同性パートナーを配偶者と同等と認め、休暇・休職、家族の看護・介護、慶弔金など各種社内規定の適用対象としました。その他、差別禁止規程の整備はもちろんのこと、東京レインボープライドなどのイベントへの積極的な参加や、職員有志のネットワークUnity Japanへの支援などを行っています。

出典:EY Japan ダイバーシティへの取り組み LGBTの職員が自分らしく働ける環境作り

このほかにも、「LGBTの職員が自分らしく働ける環境づくり」を目指し、以下のような取り組みを行なっています。

  • 偏見や差別をなくすための研修
  • 就活イベントにてLGBTに関する企業としての取り組みやLGBTの職員からのアドバイスを伝える
  • LGBTへの理解が深まるビデオ(日本語字幕付き)「Making it real globally」の作成

これはグローバル企業ならではの取り組みと言えるかもしれません。

まとめ

日本企業でもLGBT・ダイバーシティへの取り組みを積極的に実施している企業は多数存在すると思っていましたが、外資系企業はそもそもLGBTに関する取り組みへの歴史が長いですね。知識・経験が豊富で社員への対応もその分潤沢だと感じました。

日本企業も良いものはどんどん取り入れ、「LGBT企業内施策は日本企業が手厚い」なんて言われる日が来れば…いいですね…!

最終更新日
2019.03.19

新卒・中途採用 "バイリンガルエンジニア" 募集中!

IT未経験から英語を生かすバイリンガルエンジニアへと、挑戦する方を募集しています。

募集要項はこちら