自分らしく働く
2018.08.30

「人生に型なんてない」中卒、暴走族から世界4周して見つけた自分らしい生き方【後編】

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BY 川村大和

Earth Labでは、ミレニアル世代の多様な働き方を発信しています。インタビュー前編では、1冊の本との出会いから、自分の考え方次第で「人生はいくらでも楽しくなる」と気が付いたあらいさんのエピソードを紹介しました。

波瀾万丈な半生を送りながらも、現在は仕事も生活も楽しんでいるあらいさん。彼の生き方からは「人生に型なんてない。自分の思うがままに生きていい」というメッセージが伝わってきます。

インタビュー後編では、あらいさんがどうやって自分らしさや、自分がやりたいことを見つけたのかを掘り下げて行きます。

あらいさんプロフィール
中学生で暴走族に入り、16歳で少年院へ。 23歳でNGOピースボート世界一周へ。帰国後スタッフとして約50カ国、南極など5大陸制覇、世界4周を経験。 退職後はフィリピンへ語学留学、カナダのトロントでの生活を経て帰国。現在は日本にシェアリングエコノミーを広げるために活動中。

Twitter:あらいちゃん@中卒ブロガー
ブログ:中卒あらいの笑う道

 

人生を変えた世界をめぐる旅

―世界を旅して何を感じましたか?

乗船者として世界1周をした後に、NGOピースボートに就職。それからスタッフとして世界を3周しました。

旅の前までは、仕事をしてお金を稼ぐことと生活がひっついてたんですけど……。そうではなくて、例えば音楽を楽しむとか、仕事も生活もトータルで楽しむというか。生き方の幅ってめっちゃいっぱいあるんだなって感じました。

例えば、デンマークに滞在した時に「フォルケホイスコーレ」っていう学校を訪れた出来事です。この学校はデンマークの私立学校なんですけど「自分の人生をよりよく生きていくための大人の学校」と現地では呼ばれていました。現地の人は、高校生が大学に行く前に入学したり、大学生が就職する前に通ったり、仕事をやめた人が転職する前に通ったり。人生の転機に行く人が多い学校なんですよ。学生は歴史や哲学、音楽、文化、趣味などを学ぶそうです。

社会とのアクセスを持つことがより良い人生のために必要で、だからその学校があるという考え方があるんです。それまでは、好きなことを仕事にできるのが、いい人生だと思っていました。ただ、それだけじゃなくて、より良い人生ってすごい幅広いんだって、世界を旅する中で気づきました。幸せの感じ方も人それぞれ違う。もし自分が困ったら、日本じゃなくてもいいんだって思うようにもなりました。選択肢はたくさんあるじゃんって。

 

―選択肢がたくさんあることに気付くためには何が必要ですか?

行動して、やってみないことには始まらない。自分が思っているよりも、周りには選択肢いっぱいあるからそのことに気付いてほしい。

自分からすれば「楽になっちゃえば」という感じです。思い切って外に飛び出してみなよって。日本のパスポートは最強だし、世界にすごく簡単にアクセスできる。日本円も安定してるし。今はすごく内向きになっている人が多いと思います。ただ動かないでいることのほうが危険だと思っています。楽に考えればいい。世界に出てみることで、働き方や、生き方、幸せの感じ方の幅広さに気付けると思います。

 

―結婚を機にピースボートを退職した後は、語学留学やワーキングホリデーを選択していましたが、就職しなければという焦りはありませんでしたか?

焦りはありませんでした。夫婦ともに「人生で一度くらい海外生活してみたい」と思っていたので、それを実行しました。確かに、ピースボートを辞めるときには就職も考えました。ただ海外生活と就職を比べたときに、就職はチャレンジではあるけどあんまりワクワクするものではなかった。これまでの人生では、チャレンジしたら運が巡ってきてたので、よりワクワクする選択をしました。

 

―運が巡ってきたというのは?

自分がワクワクする方にチャレンジしたら、面白い人に出会えました。それこそピースボートにも出会えましたし。選択肢が分かれている時には、安定して分かりやすい方は選びません。自分がワクワクする方にチャレンジしていた方が、いい結果が出るって経験があったんです。

実は通信工をしていた時も 1度転職しています。同業ですが大きな会社。それなりに給料も良くて、安定はしていたんですけど……ただ、めっちゃ面白くなくて「安定とか給料じゃないんだな」と当時を振り返ると思います。ワクワクするチャレンジをしようっていうのが自分の行動指針になりました。

 

―海外生活の場所をカナダに選んだのはなぜですか?

パートナーと海外生活に行こうと決めた時期は、「豊かに生きること」について考えていた時期でもありました。「幸せに生きるってなんだろう? お金があるのが豊かなのか?」という具合に。生活の幅や社会としての豊かさを見てみたかったので、トロントに行きました。

トロントって世界で有数の多様性を誇る街なんです。「住人の50%以上がトロント以外で生まれている」というくらい多民族。そういう人たちの街って、めっちゃ豊かなんじゃないかなって思ったんです。いろいろな人が、いろんな色を持ちながら生きている社会って、どういう街づくりをしているのか体感したくなりました。

 

―トロントではどこにダイバーシティを感じましたか?

みんな移民だから、自分が普通じゃないって分かっている。自分が移民だと分かっているから、他の人にすごい優しいんですよ。「あなたもそうなんだ」って、英語を喋れなくても、話をめっちゃ聞いてくれるとか。

他には、「あの人種は嫌い」という差別もあったので、綺麗ではなかったです。ただ、その反面「良さ」を合理的に認め合っている感じがありました。中国人には、チャイナタウンがあって美味しい中国料理があっていいなとか。インド人には、リトルインディアにあって、美味しいインド料理を食べれられるからいいなとか。「あいつら腹立つけど、すげーウマいご飯を作るからまあいっか」みたいに、お互いの良いところを尊重し合っていて面白かったです。

住民が本当に優しいんですよ。困ってる人がいたら声を掛けるし、重そうな荷物は持ってあげるし、ホームレスにお金をあげるし。

カナダはキャッシュレス化が進んでいて現金を持ち歩く人が少ないんですよ。ただ、現金しか持ってなくて、小銭がちょっと足りなくなる時ってあるんです。面白いのが、そういう時は、後ろに並んでる人が足りない分を払ってくれるんです。僕も払ってもらったことがあって「優しい、何だこの人」って思いました。だけど、カナダではそれが普通なんですよ。困ってるのなら助ければいいじゃん、当たり前じゃんって。

差別とかあるんだけど、みんな助け合っているというのが面白かったです。根底には自分がいつマイノリティになるか分からないということもあるかもしれません。

 

 

旅が終わり、自分のやりたいことが見つかる

―あらいさんが帰国後、シェアリングエコノミーを日本に広げたいと思った理由を教えて下さい。

カナダから帰国したら、就職しようと思っていました。自分は何がしたいのかを自問自答したとき、カナダのシェア文化が印象に残っていました。

カナダには、いろいろなモノをシェアする文化があります。例えば民家の前に、小さな鳥かごがあって、本が入ってるんですよ。「自由に持ってっていいよ、余った本があったら入れといて」みたいな感じで。他には電動ドリルとかの工具を地域の人と持ち寄っている場所がありました。年間50〜100ドル払えば、月に3コくらい借りられるんです。他にはAirbnbやUBERなどのサービスも生活に浸透していました。

例えばホームレスにお金をあげるとか、小銭を前の人にあげるとか、それもシェアじゃないですか。カナダのそういう文化ってどうなってるんだろうって調べた時に、シェアリングエコノミーというカテゴリーに気がついたんです。面白いと思って調べたら、日本にはあまり根付いてないってことにも気がつきました。それで日本にもシェアリングエコノミ―を根付かせたいって思うようになりました。

 

―何社くらい面接を受けたんですか?

実は一社しか受けてないんです。シェアリングエコノミー協会の理事をしている、ガイアックスに応募しました。

 

―中卒のあらいさんは、学歴の部分で他の人と差がついてしまうと思います。どのように自分の強みをアピールしましたか?

自分の強みは好奇心です。趣味はなんですかって聞かれたら、とにかく新しいことを知ることだと答えます。知識欲、好奇心が趣味っていうか……映画とか本とか好きだけど、それひっくるめて新しい世界を見るのが好きです。

人生を通じて、ワクワクすることに挑戦してきました。「自分はこう思ったから、これをやりたい」ということを、ストーリーを作って面接で話してました。例えば、ピースボートでは何があってどのように行動しただとか、トロントでは何をみてどう思ったとか。

 

―旅を経て日本で就職した今の心境は?

今までは「いろんな世界を見てみよう」っていう思いがあって世界を旅してきました。
次は自分の経験を活かして、世界を面白くしよう、自分の周りにいる人たちが笑っていられるように一生懸命頑張ろうという気持ち。今まで社会に学ばせてもらっていたので、社会に還元しようと思ってます。その手段として、今はシェアリングエコノミーを日本に広げていきたいです。

 

 

自分らしく生きていくために

―いわゆる普通とはなんだと思いますか?

「普通は〜」って人はよく言います。ただその普通が他の人からすると普通じゃないことって多いです。正直、普通ってめっちゃ嫌いなんですよ。難しいですよ。ただ普通っていうことを拠り所にしている人もいるからそれは否定せずに、程よい距離感を持って生きていきたいと思っています。

 

―自分らしさを知るために必要なことを教えて下さい。

諦めることかもしれません。「僕はあの人とは違う。普通じゃないんだ」って思ったことがあります。僕は「普通」じゃないんだって。自分は他の人とは違うって、「普通」に対して諦めちゃえば、自分らしさっていうのが少しは見えてくるんじゃないかな。

あとは、23歳で世界一周していた時に思ってた自分らしさと今の自分らしさが違ったりするんですよ。自分らしさだと思ってたことが、周りにとっては「お前らしくない」ということもあったり。

自分らしさは変わりゆくものだと思っています。一生懸命生きようと楽しく生きていたら、いつの日かそれが自分らしさだったと気がついたり。。

 

 

ピースボートでの世界の旅を通して、働き方や生き方の多様性を知ったあらいさん。自分がワクワクすることに挑戦していけば、学歴なんか関係なく、自分らしく仕事も生活もひっくるめて人生を楽しめることを教えてくれました。

自分がやりたいことは何か。自分の幸せはなにか。一度立ち止まって考えてみると、新しい発見があるかもしれません。

最終更新日
2018.09.13

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