自分らしく働く
2018.09.13

“おしごと募集note”公開後の「はましゃか」にインタビュー【前編】自分を広告しながら生きるの、面白いです!

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BY 川村大和

Earth Labでは、ミレニアル世代(1980年〜1999年生まれ)の働き方に関するインタビューをお届けしています。

今回のインタビューは、はましゃかさん。7月にクリエイター向けWebサービス「note」で、自身のできること・できないこと・仕事のギャラ(!)を公開し、自分らしい働き方を実践しています。

フリーランスになった経緯や仕事のこと、大学時代のこと、発信することなど前後編に分けてお伝えします。インタビュー前編の本記事では、note公開に至る経緯や、ブログのこと、美大時代のことを伺いました。

はましゃかさんプロフィール
多摩美術大学卒。在学中からモデルやイラストレーター、ライターとして活動。写真に手書き文字を加えた「しゃかコラ」を作り、Instagramで話題に。2018年4月から新卒フリーランスとして女優を目指して活躍中。

note:はましゃか
Twitter:はましゃか
Instagram:shakachang

現在の働き方に至るまで…執筆に半年かかった”おしごと募集note”

はましゃかさんが7月の末に公開した”おしごと募集note

-今回はインタビューを受けていただきありがとうございます。早速、フリーランスとしていつから活動されていますか?

2018年4月からフリーランスとして生活しています。4月は舞台の稽古を中心に活動し、5月以降は舞台以外の仕事を中心に取り組んでいます。

春から生活できるか不安だったのもあって、大学4年の春休みにバイトをやっていたんですけど、全然うまくいかず。同じ場所に同じ時間に現れるのが苦手で……。シフトのスケジュールを出すときに間違えて、舞台の稽古とかぶってしまってたくさん迷惑をかけていました。バイトは「生計が立てられるようになったからやめました!」という、かっこいい感じではなくて、単純にクビになったんです。

私はできることとできないことの差が激しいのかなと思います。できないことが深刻で、無理に「できます!」と言っても後から、大きな迷惑をかけてしまう。それは避けたいなと。美大在学中からTwitterで「仕事募集しています」とは言っていたので、春先もありがたいことに仕事はちょくちょくもらっていました。

6月にも何件か依頼をいただいて、メールの返信や請求書などの苦手な部分も全部自分でやっていたんですけど、メールの返信だけで2時間くらいかかったり。なんとか終わって月末に「はー疲れた!」と少し休んだつもりが、気づいたら7月の中盤ぐらいになってました(笑)

 

-ちょうどその頃にnoteを公開されましたよね

大学4年の夏から3月ぐらいまで、同級生のハヤカワ五味ちゃん(株式会社ウツワ 代表取締役)がフリーのマネージャーさんを紹介してくれて、手伝ってくれていました。春からはマネージャーなしで1人でやっていこうとなったときに、「仕事を募集する時に手助けになるようなものを公開した方がいいよ」って五味ちゃんが言ってくれて。それが3月くらいでした。今まで携わった仕事とその種類、金額感をわかりやすくまとめるのが難しくて難しくて。半年経ってなんとか7月27日にnoteをやっと公開しました。やっとです!

 

-大学在学中は、どのようなお仕事をされていたんですか?

4年までは、単発のバイトをしながらたまにイラストの仕事やモデルをやっていたくらいです。趣味で「しゃかコラ」をインスタに投稿していたところ、イベント企画の人に声をかけてもらってコラボさせてもらったりしたのは、”棚ぼた”だ…って思ってました。

大学4年の春に、ツイートしようとした文が長くなっちゃって、どこかに書き残そうとはてなブログ(はましゃかのミュー研ブログ)を立ち上げました。「かわいいと言われて吐き気がしたことがあります」という題名をつけて公開したら1週間で7万PVくらいになったんですよ! 一気に3本くらい書いて、2ヶ月放置。夏にまた思い立って「好きな人にしちゃダメな10のこと全部やってみた」を書いたら、またたくさんの人に読んでもらって。それがきっかけで、ar(女性ファッション誌)から「ar webでコラムを書いてみませんか?」とお誘いをもらえたんです。

最初は原稿の書き方もわからなくて、尊敬するライターの塩谷舞さんに相談して、google docsというので書けると教えてもらって。納品の常識もわからず、PDFで納品したりしてました。それでも1本書いたら「ぜひ連載で」と言ってもらえて、今でも続いています。それで書いたのが、「サラダ取り分け禁止委員会」「無知ぶりっこして甘い蜜吸ってました。」などです。

 

はましゃかさんご自身がデザインしているアイキャッチ画像。『サラダ取り分け禁止委員会』は、朝の情報番組「スッキリ!」でも取り上げられた。

その他には、「びゅうたび」さんから「取材に行って記事を書いてみませんか?」と言ってもらって。そのあとも、単発で記事を書く仕事をぼちぼちもらってました。基本、ダメダメだったので担当の皆さんに迷惑をかけ、修行させてもらっていたようなものです。あ、今もめちゃめちゃですが……。昨日もTwitterでブログの告知したら「納品待ってます」というリプライが来てました……(笑)

ライター修行を始めたのと同じ4年の夏ごろから、ハヤカワ五味ちゃんが紹介してくれた劇団にも顔を出していました。その劇団の稽古を受けたり、学生映画(自主制作映画)に出演したりしていました。なので、その年の9月は稽古やり、撮影やり、コラムの執筆やり、で「わー」ってなってましたね。10月は、舞台「君が決めてよ明日のことは」に出演して。それが初舞台です。

ブログ筋トレで更新を習慣化させたい

-女優になりたいと思い始めたのはいつ頃ですか?

大学3年の3月ぐらいから周りがガンガン就活を始める一方で、私は何も方向性が決まっていなくて。人前に出ることや文章を書くことなど、内面をさらけだすようなことは苦じゃないけど、それは仕事になるのかなぁと思いながら、図書館のDVDコーナーでずっとミュージカル映画を観てました。

ある日五味ちゃんの家でゴロゴロしてた時、どうしようかなって言ったら、「何をしたいの?」と聞かれて。「芝居とかやってみたいんだよね」って答えたら、五味ちゃんがTwitterに「はましゃかってやつが芝居やりたいって言ってるんだけど」ってツイートして(笑)私はすごい恥ずかしくて言ってなかったんですけど、それで話が一気に進んで、劇団に行くようになりました。

 

-そのTweetがきっかけだったんですね。

そうですね。結構わたしスロースターターで、決断が遅い人間だったんです。夢とかを大きい声で言うことも恥ずかしいし、「私なんかが大それたこと言っていいんだろうか」という気持ちもありました。後押ししてくれる人がいないと、こういう風にはなれてないですね。一人だと、計画力・実行力・継続力が著しく欠けるので(笑)

ミュー研ブログは、4記事でストップしていて、いろんな人に「ブログ書け」って言われてました。これも五味ちゃんから、「noteやったらいいよ」ってすすめてもらって、今年の7月にやっと始めました。始めてからは、続けることって大事だなって思ってます。今はちょっと頑張ってます!(笑)

 

-noteをチェックしてるんですが、「今日は更新してる!」と思います(笑)

今は意識して筋トレしてます。ブログ筋をつけるトレー二ング。毎日更新してる人はすごい!!

 

-更新を習慣化する、という意味で?

はてなブログを書いたときに、1本目なのにこんなに拡散されるのかって思って、ありがたいんですけど怖くなりました。1回書いただけで話題になったから、次書いて誰にも読まれなかったらどうしよう、とか思って。先日公開した「おしごと募集note」がちょっと話題になった時も、ソワソワしちゃって。そのとき塩谷舞さん(milieu編集長)が「できる自分を過信すると落ち込みっぷりが激しくなるからね! 今が平常運転じゃないからね!」と言ってくれて。

それで、「そうだ、ブログ書いてバーンってなるのって、1年に1回くらいだった。普段は寝てることの多いダラダラ人間だった落ち着こう」って気づいて。今までだってそういうダメな自分も見てもらう書き方でやってきてるし、今更かっこつけるようなこともない。もちろんたくさんの人に読まれたいですけど、結果を怖がってやめちゃうくらいだったら、少しずつでも、書き続けることを習慣化させられたらいいなと思っています。

 

-はましゃかさんのブログは、文章力・言葉選びのセンスがすごい秀逸ですよね

中高が個性を尊重してくれる学校だったんです。中高一貫校で、中3の終わりに、小論文を書くことがそこの高校生になる条件だったんですね。その小論文で、「日記」とか「自分が書くこと」について書き始めたら、とりとめのない文章になって。量だけやたらある、みたいな。言ってみれば、今のブログの原型だったのかなと思うんですけど。「私は〇〇と思う。なぜなら〇〇だから。でもどうしよう。ここまで書いたものの、よくわからない」みたいな文章(笑)

幸運なことに、私の文章を面白いと言ってくれていた、すごく素敵で博識な国語の先生がいたんですよ。その先生に「すみません、完全に小論文ではないものが出来上がってしまいました」と言って、小論文を提出したら、「確かに小論文ではないけど、まさに平成の永井荷風ですね」と言ってもらえて。永井荷風、恥ずかしながら読んだことないんですけど…日記文学みたいなジャンルがあるらしくて、そういうのに近いと言われました。それで少し自信を持てました。

小さい頃から、話し言葉をそのまま書くっていうのが自分の中で普通だったらしいんです。小1で初めて作文用紙に文章をを書いた時、驚きを表現するために「!」に1行使ったんですよ。頭の中でおしゃべりしてる自分がいて、独り言が垂れ流されてるというか。ブログを読んだ人からは「ラジオ聴いてるみたい」と言われることもあります。

はましゃかができる20種類のこと

-最近の仕事は、実際にはどんなことを?

「しゃかコラ」という手書き文字の仕事や、イラスト、執筆などが多いです。そのほかにはインタビューがあったり、トークイベントに呼んでもらったり。インスタグラムでのPR事業を始めたい会社さんから相談に乗ってくれと連絡があったので、最近のインスタ事情を話しに行ったりもしました。「確定申告の勉強がしたい!」と呟くとfreeeさんから連絡が来たり、「自分のグッズを作りたい!」と呟くとSUZURIさんから連絡が来たり…。Twitterの恩恵受けまくりです。

発注ありきの仕事だけではなく、自分の制作もしたいと思っていて。美大の同級生で写真を撮っている「おおもりめぐ」とと私で、ZINE(ジン)の写真集を作ろうとしています。

 

-ZINE(ジン)とは……

マガジン(MAGAZINE)のZINEから来ている言葉で、自分たちで作る雑誌のことです。同人誌の文化からの流れで、アート寄りな人たちも自分たちの作品をまとめて、ポートフォリオがわりにしたり、500円とか1,000円で売るという文化が盛んになってます。THE TOKYO ART BOOK FAIR とかでたくさん買えますよ! おしゃれなZINE。通販サービスでも販売できるので、「たくさんの人に印刷された作品を見てもらおう!」と思って、制作しているところです。

8月の仕事をふりかえると、動画メディアの撮影をしたり、イラスト案件やったり、note書いたり、コラム執筆したり、アイキャッチ画像作ったり。イラストとか挿絵描いて、ブログ執筆やって、ロゴ制作やって、作品制作して、モデルやって、記事の執筆、ですね。

 

-本当に、noteに書いてある多くのことをやられているんですね

そうですね。昨日も、ライターとして取材に行ってきました!

仕事の姿勢として、「お芝居の収入が生計の中で1番になるのを目標に、つまり夢を追いながら、バイトもせず、就職もせず食べていく」のがモットーです。

1ヶ月のうち、案件の数が多くなると、「わぁ〜!明日も納期!明後日も納期!」ってなって焦ってしまって目標を見失いそうになってしまいます。だから、制作する仕事に関しては、5万円以上くらいから仕事を受けるようにしています。空いた時間で、オーディションに行ったり、びっちり稽古のある舞台に出演する余裕ができるように。

値段に関しては、これに限らないものも全然ありますけどね! たとえば人前で喋ったりするのは全然苦じゃないのでたくさんやっていきたいです。ぜひnote読んでいただいて…お仕事お待ちしています!(笑)

美大で築いた、できることの基盤

はましゃかさんの「かわいくても食ってけなきゃ意味ねえんだよ!!ブログ」。新卒フリーランスとしての日々の活動を発信している。

-多方面にわたる活動の、基礎が作られたのはいつ頃なんでしょうか?

今年の春に多摩美術大学のグラフィックデザイン学科を卒業したので、デッサン、色彩、デザインや写真の基礎的な知識が今の生活を支えてくれてることは間違いないですね。その中でも特に大貫卓也教授の「問題解決としての広告」の授業が手助けになっている気がします。

ただ商品を売るんじゃなくて、売る理由、買う理由を作ることが広告の力だと。その商品が社会に流通することで、大小の社会問題を解決できる。ノンアルコール商品とかはまさにその例です。ポスター制作などのPC上で考えるデザインが周りよりも不得意だったのもあって、頭で考えるこの授業がとても面白かったです。

私はまさに今、「芝居で食べて生きたいのにまだ生活できてない」という問題を解決している最中です。自分という商品を、いかに広告するか。目標に到達するまでの費用をどう稼ぎ、その仕事でいかに社会の役に立つか。そして私が流通すれば(笑)、誰かがクスッと笑える瞬間が生まれたり、抑圧されがちな立場にいる人に勇気を与えることができるかもしれない。自分でもかなり面白い取り組みをしてるな!と思ってます。

 

-広告を中心に学ばれていたんですね。その頃からモデルの仕事もやっていたんですか?

美大って、人間を撮る機会がすごく多いんですよ。写真や広告の授業はもちろん、多摩美の中でも服を作ったりするテキスタイルデザイン学科ってところがあるんです。課題で服を作って「私はこういう服を作りました」とプレゼン用に残すとき、どうしても人間に服を着せて撮影する過程が必要になってくる。だから、常にモデルを必要としてるんですよ。

それで、先輩たちに誘ってもらって作品のモデルをしたのが原点かなと思いますね。多摩美ってスタジオもちゃんとしてて、先輩も立派なカメラで撮ってくれるんで、「服に合わせて表情を変えるの楽しいな」「作るよりも撮られる方が楽しいかも」とか思ってました(笑)

大学2年生の時にミスコンに出たときは、モデルの経験を活かしました。ミスコンが芸祭と同時に行われるので、当日に向けてみんないろんなものを作ってたんですよ。私は、当時自分で何かをつくる力があんまりないなと思ってました。パソコンとか全然使えないし、デザインも全然できないし。それで…

 

-しゃかコラがすごいですが……

あ、しゃかコラは、パソコンが上手に使えない人間が手書きとスマホのアプリでどこまでやれるか突き詰めた結果編み出されたものです。手書きの文字を取り込んでデザインの素材に使うという手法は、もともとスキャナーとPhotoshopがあればできる技術なので。ほんと劣等生だったんですよ。

で、ミスコンの時に「自分は計画力も実行力もモノ作り力もないけど、巻き込み力と撮られる能力だけはあるぞ!」と思って「はましゃかを撮ってください」「はましゃかとコラボしましょう」と、作れる人を巻き込んで、作品の素材や広告塔にしてもらうという企画をしました。そしたら、いろんなところから「うちのアクセサリーのモデルして」とか「展示する作品のモデルやって!」とか声がかかって、結果、自分で宣伝ビラをまかなくても芸祭当日は大学中で私の顔が色んなところに貼られていて、無名の状態から準グランプリになることができました。ちなみに今も、コラボ企画とかどんどん募集してます!

 

-美大での経験が今のお仕事に繋がっているんですね

はい。画力に自信持って入学したのに、モノ作りの天才たちを間近で見て圧倒され、自分のできなさに1回ヒネくれて(笑) じゃあ私にしかできないことは何だろう?と考えまくった4年間でしたね。

学生時代にモデルを頼んでくれてた先輩が広告業界に就職して、本物のモデルとしての仕事をくれることもあって…こんなにありがたいことはあるのかと。 同級生にも「早く出世して私に仕事をくれ(笑)」って事あるごとに言ってます(笑)そのために私も、キャスティングしてもらえるように「実力と影響力を磨いていかないと!」と思ってます…!

 

 

はましゃかさんのインタビュー前編では、現在のフリーランスの活動内容やそれ以前の働き方、積み重ねてきた経験について伺いました。自分でマネジメントすることの難しさや、仕事のギャラを明確にしておくことなど、随所にフリーランスとして知っておきたいポイントがありました。

次回、インタビュー後編では、はましゃかさんの考える発信についての話をさらに聞いていきます。お楽しみに。

 

撮影:なかむらしんたろう

衣装協力:オモコロ

最終更新日
2018.09.20

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