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2018.09.04

経団連が就活ルール廃止の意向を表明! 日本の就活どう変わる?

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BY 川村大和

経団連の中西宏明会長が9月3日の会見で、2021年春以降入社の学生の採用活動に関して、就職活動の時期などを定めた就職活動ルール(採用選考に関する指針)を廃止に言及しました。

現在は説明会が3月に、面接が6月に解禁されるルール。この就活ルールが廃止されると、通年採用の増加や学生の情報格差など、就活に大きな変化が起こりそうです。この記事では就活ルールの廃止で何が変わって何に気をつけなくてはいけないのかを解説していきます。

経団連が就活ルール廃止を表明

時事通信によると、9月3日の会見で経団連の中西宏明会長が「就活ルール」の廃止を表明しています。

21年卒の学生の採用活動から、経団連に加盟している企業を対象に、面接の解禁時期などを定めた就活ルール(採用選考に関する指針)を廃止される予定です。

中西会長は会見で以下のように述べて、新卒一括採用などの雇用慣行に問題提起をしました。

「経団連が採用日程を采配することに違和感がある」

 

出典:就活ルール廃止を=21年春以降入社から-経団連会長|時事通信

一方大学側では、日本私立大学団体連合会が「現行のスケジュールを堅持すべきだ」と述べ、就活ルールの廃止に反対の立場をとっています。

また、産経新聞によると、中西会長の会見後、企業の採用活動の時期に関して、安倍首相は以下のように発言しています。

「早くなると、学生の本分である勉強より就職活動が早くなるのでおかしい。採用は6月開始というルールを作ったところだから、ルールをしっかり守ってもらいたい」

 

出典:安倍晋三首相「採用ルール守ってほしい」 就活ルールの形骸化に苦言|産経新聞

就活ルール(採用選考に関する指針)とは?

就活ルールとは、広報活動や採用活動などの就活スケジュールに関する取り決めです。経団連が指針を策定し、加盟企業に指針を守るように要請しています。就活の期間については以下のように定められています。

【採用選考に関する指針】

3.採用選考活動開始時期
学生が本分である学業に専念する十分な時間を確保するため、採用選考活動については、以下で示す開始時期より早期に行うことは厳に慎む。

広報活動 : 卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降

選考活動 : 卒業・修了年度の6月1日以降

4.採用内定日の遵守
正式な内定日は、卒業・修了年度の10月1日以降とする。

 

出典:採用選考に関する指針|日本経済団体連合会

大学4年生の3月に説明会、6月に選考が解禁されるのが就活ルールです。ただし、このルールには拘束力がありません。経団連に加盟していても、6月を待たずに内定を出している企業があります。大学3年生を対象としたインターンシップは「選考には関係はありません」という前提で開催されています。しかし、インターンシップが選考の一部になっている場合は多いのではないでしょうか。

なぜ今、就活ルールの廃止が言及された?

就活ルールの廃止の裏には、自由な採用活動で優秀な人材を確保したいという企業の思惑があります。少子高齢化で労働人口が減り続ける中、学生の獲得競争は激しさを増しています。経団連非加盟の上場企業やベンチャー企業、外資系企業は就活ルールを気にせずに通年で採用活動をしています。

朝日新聞によると、経団連の中西会長は会見の中で「終身雇用など基本的なところが成り立たなくなっている。一斉にやることもおかしな話だ」と話し、新卒一括採用が時代にそぐわなくなってきている状況を強調しました。確かに、就活ルールが廃止されれば、日本の特徴的な新卒一括採用という雇用慣行が大きく変わっていくでしょう。

すでに形骸化していた就活ルール

学生獲得競争は数年前から激化しています。日経新聞によると2016年に経団連の加盟企業で6月前から選考を始めていた企業は31.4%にも上っていました。面談や質問会と称して、企業と学生が会い実質的に選考活動を進めていたようです。またリクルーターが選考解禁日まで学生を囲い込む「青田買い」も問題に上がっていました。

また、経団連が2017年に加盟企業対して実施した「2017 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果」では、広報活動や選考活動の開始時期の規定は削除すべきという意見が多く上がりました。

【中長期的な「指針(就活ルール)」のあり方】

指針自体は残すが、広報活動や選考活動の開始時期の規定は削除すべき:42.1%

選考開始時期等を含めた現行の指針の内容を維持していくべき:26.9%

指針を廃止し、自由な採用活動を認めるべき:9.0%

指針を廃止し、政府がルールを定めるべき:7.9%

その他:14.0%

 

出典:2017 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果|日本経済団体連合会

就活ルールが撤廃されると何が起こる?

就活ルールが撤廃されると、就活に次の変化が起こると考えられます。

  • 通年採用、早期選考の増加
  • インターンシップや説明会の選考影響度の明確化
  • 情報格差で学生が2分化される

通年採用、早期選考の増加

2011年に経団連を脱退した楽天株式会社は、エンジニアを通年で採用し、その他の職種を4月・10月入社で採用しています。また、ヤフー株式会社では、ポテンシャル採用制度を用意。通年で採用活動を行っています。応募時30歳以下で入社時18歳以上であれば全ての人が採用の対象になる制度で、エンジニアコース・デザイナーコース・ビジネスコースに分かれています。

他にも株式会社ファーストリテイリングやソフトバンク株式会社など、多くの企業が通年採用、早期選考を行っています。

通年採用を行っている企業一例
  • 株式会社ファーストリテイリング
  • 楽天株式会社
  • ソフトバンク株式会社
  • ヤフー株式会社
  • サイボウズ株式会社
  • 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
  • 株式会社リクルートライフスタイル
  • ネスレ日本株式会社
  • 株式会社メルカリ
  • 株式会社スクー

今後、就活ルールが廃止されたらより多くの企業が自由に採用活動を行うようになるでしょう。また、通年採用を行っている企業では、エンジニアやデザイナーなど募集職種を絞っている特徴が見られます。一括採用の総合職ではなく、専門職の募集が増えていくかもしれません。

いつでも就活ができる環境であれば、学生は就活と留学や学業などとの両立させやすいのではないでしょうか。また、自分のキャリアについて考える時間が増えるかもしれません。自分がどのように働きたいか、どのように生きていきたいかを考えられることはプラスに働くでしょう。

学業へ悪い影響が出るという懸念もある

企業がいつでも誰でも採用活動をできるということは、大学1年生も採用の対象になるかもしれません。また、就活ルールがなくなれば、終活の期間に10ヶ月のしばり(3月の説明会解禁から10月の内定式まで)がなくなります。期間が定まっていないため、いつ就活をすればいいのか不安に思う学生も増えるでしょう。学業に集中できなくなる人もいるのではないでしょうか。

インターンシップ、説明会の選考影響度の明確化

就活ルールがあると、企業は、採用活動の一環としてインターンシップを行うことができません。しかし激しい競争の中で優秀な学生を獲得するためには、水面下で採用活動を行うことをよしとする企業もあります。

就活ルールがなくなれば、企業は全ての採用活動に明確な基準を示せるようになります。学生は選考されているという心構えを持ってインターンシップや説明会に参加できるでしょう。

情報格差で学生が2分化される

企業ごとの自由な採用活動が始まると、3月に説明会、6月に選考が解禁といった共通の日程がなくなります。自分が希望する企業、人気の企業から内定をもらうための情報戦は激しさを増していくでしょう。就活のために集めなければならない情報は、今以上に増えます。また、積極的に行動できなければ不利になっていくでしょう。行動力がある人はOB/OGに積極的に会いに行きWebでは得られないような重要な情報を集められるかもしれません。

情報量が就活を左右します。情報を持っている人と情報を集められない人に、学生が2分化される恐れがあります。今以上に情報格差が深刻化していくでしょう。

 

経団連会長が発表した就活ルール撤廃について解説してきました。もし実現したら、就活の様相が大きく変わるでしょう。もしかしたら新卒の一括採用がなくなるかもしれません。21年卒の人は、就活に起こる変化を把握しておき、何があっても対応できるように準備をしていきましょう。

自分はどんな仕事をしたいのか。就活をするとしたらどんな企業に入るのが自分のためになるのか。そして、希望する企業に入るためにはどんな情報を集めなければならないのか。この3点を自分に問いかければ、就活もうまくいくはずです。

最終更新日
2018.09.04

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