やりたいことに打ち込んでいる姿は美しいもの。目標に向かって全力を注ぎ込む生き方には、誰しもが憧れます。
「やりたいことに打ち込む人生を歩みたい。でも何をやりたいのか分からない。」と感じている人もいると思います。まずは、やりたいことを明確にしましょう。自分を掘り下げる方法を紹介します。
目次
やりたいことがない人がまずすべきこと
自分の好きなこと・嫌いなこと、やりたいこと・やりたくないことを挙げていきましょう。周囲の人が楽しんでいる仕事や趣味が、あなたのやりたいこととは限りません。
自分の好きなこと・嫌いなこと棚卸し
「好きなこと」「嫌いなこと」を、できる限り書き出してみましょう。100個以上書き出せるといいです。どうでもよさそうな小さなことも列挙していきます。今まで気づかなかった自分の特性が見えてくるでしょう。例えば、以下のような内容で構いません。自分に素直になって、書き出していきましょう。
- 友達と飲む
- 金魚に餌をやる
- 断捨離
- バイクで走る
- 懐メロを聴く
- プチプチ潰し
- 居合
- 玉ねぎを剥く
- 軽い運動
- 風呂
- ビー玉集め
- 急かされる
- 寒い
- 団体旅行
- ずっと同じところに座っている
- お世辞
- 散らかった部屋
- 汚れたエアコン
- 定時出勤
- 読書
- 感想文
きっと「自分ってこんなことが好きだったんだ、嫌いだったんだ」と新しい発見があるでしょう。できれば幼少期の自分が好きだったこと・嫌いだったことも追加できるとより効果的です。
自分のやりたいこと・やりたくないこと棚卸し
次はもう少し具体的に「やりたいこと」に迫ります。「やりたいこと」「やりたくないこと」を自由に書き出してみましょう。
- 身体を動かす
- 多くの人に会う
- 人前で喋る
- 自分の世界に集中する
- 人を助ける
- 動物と関わる
- 美味しい料理を食べ尽くす
- 付き合いの飲み会
- 自分の意見が言えない仕事
- 寒くて汚い部屋での作業
- 体力を使うこと
- 単純作業
- 計算
上記はあくまで例ですが、どちらにも似た内容が含まれてしまっていても構いません。「やりたいこと」に身体を動かしたい、「やりたくないこと」に体力を使うこと、を記入すると矛盾しているように感じます。しかし、掘り下げてみると、「単純作業で肉体を酷使されるのは嫌だが、スポーツや仕事の出張などでバリバリ活動したい」という具体的な志向が見えてきます。
やりたいこと、本当はある説
やりたいことは、立派なことでなくてもいいのです。何かと理由をつけて諦めていたり、誰かが気になり躊躇していたりしませんか? 自分はやりたいことをやっていいのだと、認めてあげましょう。
心のどこかで諦めきっている
心のどこかで理由をつけて諦めている状態です。本当はやりたいことがあるのに自分に嘘をついて、どうやったら「実現可能な」やりたいことを見つけられるのかと逃げ道に走っているだけです。
心のどこかで諦めきっている人は、失敗を恐れている傾向にあります。例として、漫画家になりたい人を挙げます。
- 漫画家に師事する
- 原稿を出版社に持ち込む
いずれも今の仕事を辞めないとできない。でも絶対アシスタントになれるわけでもないし、出版社に持ち込んでも門前払いになる確率が高いだろう。無理なのでは…。
どうやったら漫画家になれるかを考え抜く前に諦めてしまっていて、視野が狭くなっています。実際には、企業で働きながら漫画家を目指すことは可能です。本当にやりたいことがあるなら、実現できる方法をとことん探すべきです。
働きながら夢を追う方法については、こちらの記事をご覧ください。
邪魔する「ヤツ」がいる
代表例を2つ取り上げます。世間体と古い価値観です。
世間体
周りの目を気にして、仕事にしがみついていないでしょうか。世間に名の知れた会社に勤め、安定した給料をもらっていると、現状を手放しにくいでしょう。世間体のいい今の仕事が、本当にあなたのやりたいことならば問題はありません。家族や親族、友人からの意見を気にしなくて良いとすれば、どんなことをやりたいと感じますか。世間体を守るために、やりたいことを見逃していたかも知れません。
古い価値観
日本では安定こそが良いとされてきました。公務員が長らく人気職業なのは、リストラがなく、ゆとりのある暮らしが十分できるぐらいの給料をもらえる安定した仕事だからです。夢を追いかけるのはリスクがあると考えてきた人が多いでしょう。
急に、これまでの価値観を変えたり、世間体を全く気にしないようにしたりするのは難しいです。しかし、自分にはやりたいことが本当はあるのだと気づくだけで、無駄にやりたいこと探しをする必要がなくなるのです。
やりたいことがない人が自問自答すべき、5つの質問
やりたいことを明確にするための5つの質問があります。
- 何か1つやり切ったと言える経験は?
- 本当に大切にしたいものは何?
- 自分の長所・短所は?
- いくつになっても成長したい?
- あなたにとっての「幸せ」とは?
時間をかけてじっくり考えてみてください。自分は何がやりたいのか、何のためにやりたいのか、が見えてくるのではないでしょうか。
何か1つ「やりきった」と言える経験があるか
あなたが一生懸命頑張った経験を思い出してください。「受験勉強」「亀の世話」「小石集め」「恋愛」など、どんなことでも構いません。頑張っていたときの気持ちを思い返してください。達成感を感じたのであれば、どのような点に達成感を感じたのか。楽しかったのであれば、なぜ楽しいと感じたのか。一生懸命だったときの気持ちを振り返ることが、やりたいことを見つけるためのヒントになるかもしれません。
本当に大切にしたいものは何?
あなたの一番大切なものは「自分の夢」ですか? 「お金」ですか? 「家族と過ごす時間」でしょうか? それによってやりたいことの選択肢も変わるはずです。
自分の長所・短所がすぐ挙げられるか
自分の長所と短所を理解しましょう。この質問は、自分のできることとできないことをあぶり出すのに役立ちます。やりたいことはすぐ見つかるわけではありません。まずは行動を起こして、自分ができることを突き詰めてみましょう。
得意な方面で他者に貢献していると自分のやりたいこと、やりたくないことが明確になるでしょう。得意なことが必ずしもやりたいこととは限りません。ですが、とりあえずやってみると、人の輪が広がって思わぬ誘いや提案が舞い込むこともあります。
いくつになっても成長したい?
上昇志向が強い人は、努力できる人。人間としてより大きな存在になるためには日々の努力は欠かせません。努力できる人は、何かに継続的に取り組み、しっかり学べる人。そもそも努力できない人は、やりたいことがないなんて悩みません。自分を成長させることとは何かと考えるといいでしょう。なぜ成長したいのか、その答えこそ本当にやりたいことに結びついているはず。
あなたにとっての「幸せ」とは?
あなたは、自分がどのような状態であることが幸せだと感じますか? 「お金が十分にあること」「時間があること」「人に貢献できること」など、幸せの形は人の数だけあるでしょう。あなたにとっての幸せをできる限り具体的にイメージしてください。それがやりたいことへの指針になります。
とにかく行動してみよう!
自分のやりたいことが具体的になってきたら、行動を邪魔するものを排除していきましょう。やりたいことがない人の特徴は、行動力のなさ。やりたいことが見つからずに悩んでいる人は、まず行動してみましょう。
1.行動目標を立てる
「1年以内に〇〇を取得する」「1年間で○kg痩せる」などと期間とやることをはっきり決めます。やりたくないこと、嫌いなことは避けてください。小さな目標から設定しましょう。周りの人に目標を宣言すると、行動意欲が高まるかもしれません。小さな成功体験の積み重ねは大きな夢の実現の糧になります。
2.必要な費用を算出
資金確保は重要です。行動目標のために貯金する目標を立てるのも一つの手段です。資金が確保できれば今後の計画を確実に実行できます。
例えば、漫画家になるために働きながらスクールに通うとします。通学期間は半年。まだ機材を何も持っていない場合、機材の値段も算出します。
スクール代(マンガ家養成講座) | ¥378,000 |
パソコン | ¥120,000 |
高解像度ディスプレイ | ¥60,000 |
Adobe Illustrator、Photoshop | 毎月¥2,180 × 6 |
ペンタブレット | ¥10,000 |
合計 | ¥581,080 |
毎月2万円ずつ貯金できるなら、29ヶ月とちょっとかかります。2年半後には、漫画家を目指して頑張っている姿が目に浮かびますね。
成功している人でもやりたいことは見つけられていない
堀江貴文氏は、自身のYouTubeチャンネル「ホリエモンチャンネル」の動画『堀江貴文のQ&A「小さい成功を体験しよう!」〜vol.650〜』にて、以下のように述べています。
最初からやりたいことが見つかっている人はいない。仕事に限らずなんでもやって打ち込んでみる。そうやって小さな成功体験を重ねて自信をつければ、よりいろんなことにチャレンジできるはず
成功している人でも、案外やりたいことが見つからないまま過ごしているのですね。失敗を恐れず、選り好みせず、まずはやってみるのが大事だそうです。
やりたいことがない人にオススメの診断や息抜き
やりたいこと探しのために自分を振り返ることは重要ですが、かと言ってのめり込みすぎても疲れて自分を見失ってしまいます。考えれば考えるほどやりたいことがわからなくなってしまったという方へ、ちょっと一息入れて気持ちを休める方法を紹介します。気分転換しているときにやりたいことがふと思い浮かんでくるかもしれません。
デジタルデトックス
デジタルデトックスとは、スマホやパソコンなどのデジタルデバイスから一定期間離れる取り組みです。ストレスの軽減や、集団でのコミュニケーション活性化といった効果があります。
SNSを毎日どうしても見てしまう人は、SNS断ちをして自分と向き合う時間を作りましょう。SNSでは、自分以外の皆が充実した日々を送っているように思えてしまいます。ネット検索もほどほどにしましょう。やりたいことのためにはまず行動です。パソコン画面を何時間もじっと見つめているだけでは行動しているとは言えません。
エニアグラム
○×式テストをして9つの性格に分ける性格論のことを指します。
エニアグラムは、9つの性格タイプごとの世界観や動機、特性などについて、驚異的なまでの理解を可能にします。また、習慣的思考・感情・行動パターンについて、タイプごとにきわめて具体的に示してくれます。エニアグラムは、性格の自動的パターンからもっと自由になり、本来の自分の豊かさに触れ、成長していくためのものです。対人関係においても、性格の違いからくるすれ違いや葛藤に留まるのではなく、お互いを活かし合い、成長していくための助けになります。
(引用:エニアグラムとは|エニアグラム研究所〔日本〕)
エニアグラムは自分の性格や行動を新しい視点から捉え直すのに役立ちます。
私は、タイプ5に分類されました。タイプ5の人は、現実や他者から距離を置いて知識を蓄えるのに専念しがちなのだそう。やりたいことに「多くの人と会う」を挙げていました。その一方で、実は1週間に3時間ほどは必ず本を読む時間を確保しています。エニアグラムの結果から、案外自分はインドア派なのかもしれないと思うようになりました。
自分を見つめ直し、やりたいことが少しでも発見できたら、目の前のものに今すぐ打ち込んでみませんか。日々の小さな成功体験があなたにより大きな夢をもたらしてくれるはず。やりたいことはきっとあります。まずは行動あるのみです。