YouTuberの新しい類として、BookTuber(ブックチューバー)が注目を集めています。”BookTuber”とは、Bookを紹介するYouTuberを省略して生まれた造語です。本記事では、海外で話題のブックチューバーの役割と、おすすめブックチューバーをご紹介します。
目次
BookTuber(ブックチューバー)とは
BookTuber(ブックチューバー)とは、本の紹介をするYoutuberを指します。書店で購入した本や、その本を読んだ感想を動画で紹介しています。ブックチューバーが本について紹介している動画を、BookTube(ブックチューブ)といいます。ブックチューバーはミレニアル世代が多く、まるで友人のオススメを聞いている感覚で気軽に視聴できます。
紹介される本のジャンル
それぞれのブックチューバーによって紹介する本のジャンルは変わりますが、YA(ヤングアダルト:10代向けに執筆された本)が多いようです。YAは13歳〜19歳を主な対象としています。とはいえ、実際の読者には20代や30代もいるため、まさにミレニアル世代向けといえます。
ブックチューバーたちは、自身の「人生を変えた本」や「絶対に読んだ方がいい本」を動画で紹介します。簡単なあらすじや、読んで何を思ったかを動画内で知れるので、あなたが次に読む本を探すヒントになるはずです。一方で、「私が好きじゃない本」についての動画が挙がることもあります。本音の感想を聞けるのが、BookTubeの良いところではないでしょうか。
BookTuberの役割
ブックチューバーの一番の役割は、本の紹介です。ブックチューバーの紹介は、若者が読書をするきっかけに繋がっています。出版社や著者がブックチューバーに本の紹介を依頼する場合もあります。その際、感想の内容に制限をかけるのではなく、ブックチューバーは自由に感想を述べられます。本よりも動画コンテンツを楽しむミレニアル世代も多い中、ブックチューバーの存在は大きいようです。
本を紹介する以外にも、ブックチューバーの役割があります。YouTubeを飛び出した、イベント開催や出演です。海外で開催されているYall FestやBook Con、Vid Conなどのイベントに行けば、ブックチューバーと実際に会えるかもしれません。
参考:Positioning BookTube in the publishing world: An examination of online book reviewing through the field theory|Katharina Albrecht (Leiden University)
BookTuber(ブックチューバー)の動画の種類
ブックチューバーが提供するコンテンツは、一口に本の紹介と言ってもさまざまです。これから読みたいと思う注目の本や、書店で購入した本を紹介してくれます。BookTubeでどんなコンテンツが楽しめるのか、主な3種類を挙げていきます。
本/オーディオブックの感想
最も定番とされる動画内容は、本の感想です。1冊の感想をじっくりと述べる場合もあれば、テーマを決めて複数の本の感想を述べる場合もあります。
また、日本のミレニアル世代にはあまり馴染みがないかもしれませんが、「オーディオブック」の感想動画も挙げられています。オーディオブックとは、ナレーターが本を朗読した「耳で楽しむ本」のことです。手元で本を開けない状況でも、本の内容を楽しめるのがオーディオブックの特徴。犬の散歩中や、スーパーでの買い物中でも、ながらで活用できます。
読む予定の本リスト(To Be Read)
ブックチューバーが今後読む予定の本を紹介します。数多くの本を読んでいるブックチューバーだからこそのチョイスを知るための良い機会でしょう。
購入本の紹介(Book Haul)
ブックチューバーは、書店でどんな本を購入したかを紹介する動画もアップロードしています。ブックチューバーたちの元には、出版社から本が贈られてくる場合もあるようです。
BookTube(ブックチューブ)を観るときに知っておきたい英単語集
ブックチューバーの多くは外国人です。英語での動画になるため、分からない単語もあるかもしれません。ブックチューバーがよく使う単語を事前に知ってから観ると、よりスムーズに動画を楽しめると思います。
TBR(To Be Read):これから読む本
“To be read”は直訳すると、「未読」。まだ読んでいないけれど、これから読む予定の本がTBRとして紹介されます。
Book Haul/ Library Haul:購入本の紹介
“Haul”とは、「全購入品」を意味します。インフルエンサーが「この秋買った服です! 」と購入品の紹介をしているのを見たことはありませんか? ”Book Haul”は購入した本の紹介をする動画です。
購入品ではないものの、図書館で借りた本を紹介する場合は、”Library Haul”と呼ばれます。
Bookish Hangover:本の二日酔い
“Hangover”は「二日酔い」という意味です。Bookish Hangoverは、2つのシチュエーションで使える言葉です。一つは、今まで読んでいた本のインパクトが強く、次の本を読む気になれないとき。実際の二日酔いの使い方と似ていますね。ピンクドンペリを飲んで「めっちゃおいしい! 安いシャンパンは飲みたくない……」と感じた経験がある人は共感できるのではないでしょうか。
もう一つは、夜中まで本を読んで疲れているとき。二日酔いで何にもできない状況を思い浮かべると分かりやすいかもしれません。
Bookathon/Readathon:本を読み続けること
“-athon”とは、「何かを長時間続けること」を意味します。Marathon(マラソン:長時間走り続けること)やHackathon(ハッカソン:長時間プログラミング開発を続けること)なども、-athonが語尾につく単語です。
本を長時間読むことは、BookathonまたはReadathonと言われます。ブックチューバーの中には、24時間読書の挑戦動画を挙げている人もいます。
おすすめBookTuber(ブックチューバー)
残念ながら、日本ではまだブックチューバーの活動はあまり盛んではありません。アメリカやイギリスでは既に人気のブックチューバーが多数存在します。本章では、チャンネル登録者数の多いオススメのブックチューバーを紹介します。
Abookutopia
Sasha Alsberg(サーシャ・アルスバーグ)は、アメリカ出身でブックブロガーやインフルエンサーとして活動しています。過去に、共著者として出版した”ZENITH:THE ANDOROMA SAGA“は、ニューヨークタイムズ誌のベストセラーに選ばれました。本の紹介のみならず、本に関する活動を幅広く行なっているようです。彼女のYoutubeチャンネルの登録者数は、なんと37万人以上います。
PeruseProject
Regan(リーガン)はアメリカ出身のブックチューバーです。Reading Vlogというタイトルで、「今日、どんな本を何ページ読んだか」を動画で紹介しています。自宅の様子やボーイフレンドも登場するため、ブックチューバーのライフスタイルを身近に感じられる点が魅力です。
ちなみに、彼女は週末で700ページも本を読み進めるようです。さすが、本の虫ですね。
Ariel Bissett
Ariel Bissett(アリエル・ビセ)は、大学院に通うカナダ出身のブックチューバーです。約14万人のチャンネル登録者がいます。BookTube以外の動画コンテンツもあるのが彼女の特徴です。学生向けにエッセイの書き方や、ポエムのあり方についての動画を挙げています。
本はいつだって知識の宝庫です。「最近は本を読まなくなった」と感じるミレニアル世代の人も多いでしょう。ブックチューバーの動画をきっかけに、英語の勉強を兼ねて本を読んでみてはどうでしょうか。