自分を知る
2018.09.07

VUCAとは? 激動の時代を生き残るために必要な5つのアクションを紹介

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BY 川村大和

世界は今VUCAワールドになったと言われています。VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をつなげて作られた言葉です。グローバル化で経済が複雑に絡み合い、イノベーションが絶えず生まれているVUCAの時代では、未来を予測するのは難しいでしょう。

今回はVUCAとは何かを激変するビジネス環境と合わせて解説。そして、予測不可能な時代を生き残るために私達は何をすればいいのかを紹介していきます。

VUCAとは

VUCAの意味は以下のとおり。一言で表すと、「複雑で予測不可能な状況」です。

「VUCA」とは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をつなぎ合わせた造語で、これら四つの要因により、現在の社会経済環境がきわめて予測困難な状況に直面しているという時代認識を表す言葉です。もともとは1990年代のアメリカで冷戦終結後の複雑化した国際情勢を意味する軍事用語として使われ始め、2010年代には経営やマネジメントの文脈においてもとりあげられるようになりました。

出典:VUCA|日本の人事部

2016年の世界経済フォーラム(ダボス会議)で「VUCAワールド」という言葉が使われています。ダボス会議では世界の一流企業1,000社のCEOや政治家、学者などが一堂に会します。経済環境が複雑化しているのは世界共通の認識でしょう。

企業や働く人を取り巻く環境は凄まじいスピードで変化しています。1990年代後半から2000年の期間は、IT革命で産業や経済の構造が大きく変わりました。しかし、今と2000年代前半を比べると更に大きな変化が起こっています。

時代や社会に大きな変化が起きている背景にはITの革新があります。2010年頃からスマートフォンが広く普及しはじめてからは、人々の生活が変わり、新しいビジネスモデルが生まれています。シェアリングエコノミーが当てはまるでしょう。AirbnbやUberなどのサービスを使えば、モノや時間、場所を簡単にシェアできます。個人間で何かをシェアしてお金をもらえるようになるなんて誰が想像できたでしょうか。

イノベーションが起こると既存のビジネスモデルが崩壊し、再構築されていきます。移り変わりが激しい状況で生き残るのは容易ではありません。Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguityが何を示すのかを、時代背景とあわせて解説していきます。

Volatility(変動性)

現代はイノベーションが次々に生まれ、古いビジネスがすぐに衰退していく時代です。どんなに有望なビジネスモデルでも追随するビジネスが現れ陳腐化してしまうでしょう。また、経済が世界規模に広がっているので、市場の成熟化もより一層加速していくでしょう。VUCA時代は常に状況が変動していきます。

変動性の一例としてSNSサービスの変遷をたどってみましょう。2004年に日本初のSNSサービスmixiが生まれ、多くの学生や若手社会人が使用していました。「インターネット白書2006」によれば、インターネットを利用している20代の男女の4人に1人がSNSを利用し、そのうちの82.6%がmixiを使っていたそうです。

しかし、2008年頃にFacebook、2009年頃にTwitterが日本に上陸。徐々にmixiのユーザは少なくなり、今ではごくわずかな人しか使っていません。またTwitterやFacebookが多くのユーザを集めるなか、InstagramやSnapchat、Tik Tokなどの新たなSNSサービスが生まれ続けています。

Uncertainty(不確実性)

世界規模で増している地政学上のリスクも、不確実性を加速させています。VUCAの時代ではまったく予測できないことが起こります。2014年3月にはロシアがクリミアを併合して、ウクライナと武力衝突を起こしています。世界地図の国境線が引き直される出来事を予測できた人はいるでしょうか。

また2016年6月には、イギリスのEU脱退が国民投票で可決。イギリスの国民投票では「イギリスはEUに残留するだろう」と経済学者が予測していました。

アメリカでは2016年11月の大統領選挙でトランプ大統領が誕生。パリ協定から脱退したり、メキシコとの国境に壁を作ろうとしたりしています。アメリカ大統領選では「トランプ氏は大統領になれない」と予測する専門家が多くいました。

このように、フタを開けてみたら全く逆の結果がたびたび起こっています。政治が絡むドラスティックな変化が突然起こりうるのがVUCA時代なのです。

Complexity(複雑性)

今、グローバル化によって経済が世界規模で複雑に絡み合っています。2007年にアメリカのサブプライムローン問題に端を発し、2008年にアメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズ・ホールディングスが経営破綻。その結果世界規模で金融危機が起こったことは多くの人の記憶に残っていることでしょう。

リーマンショックがもたらした世界同時株安と超円高は、輸出大国の日本にとって大打撃。特に自動車や鉄鋼などの製造業が受けた影響は深刻で、多くの大手企業が海外に拠点を移していきました。その結果、大手から仕事をもらっていた中小企業の業務縮小や倒産が相次ぎました。世界のどこかで起こったことが、自分の国や会社に大きな影響を与えることがある時代です。

また、日本では海外でイノベーションを起こしたサービスが普及していない状況があります。その原因として、法整備が新しいサービスに対応できていないことが考えられます。民泊プラットフォームのAirbnbやライドシェアプラットフォームのUberがいい例でしょう。新たなサービスと国の法規制が複雑に関係しあっています。

Airbnbは新しい旅のスタイルを生み出したとして、世界中の利用者から絶賛されています。しかし、日本では住宅宿泊事業法が2018年年6月から施行。民泊で部屋を提供するためには、都道府県知事への届け出や貸し出す部屋の環境整備、宿泊者名簿の3年間保存などが必要になっています。また観光庁は「違法物件に係る予約の取扱いについて通知を発出しました」というリリースを発表。その結果Airbnbから住宅宿泊事業法に沿わない全物件が削除されました。

Uberは自動車配車サービスで、一般人が自家用車で人を運送します。しかし国土交通省から「自家用車による運送サービスは白タク行為に当たる」と指導が入り、サービスは中止されています。現在日本ではタクシー業者と提携している「Uber Black」「ブラックVAN」などのサービスは利用できます。しかし、Uberの最大の特徴である一般人が自家用車で配送をするサービスは日本ではまだ認められていません。

Ambiguity(曖昧性)

ITが進化することで、「業界の区分」が曖昧になっています。例えば自動運転車に関する技術研究が進み、自動運転車の実現が近づいています。VUCA時代以前であれば、自動車メーカのみが自動運転車を研究していたでしょう。しかし、現在ではGoogleやUber Technologiesなどテクノロジー系企業が参入。独自に研究開発を進めて、実用化まで迫ってきています。

業界を超えた競争が活発化する中で更に多くのイノベーションが生まれていくでしょう。しかし、どのようなイノベーションが生まれ、そのイノベーションがどのような影響を社会や経済にもたらすかを予想することは困難です。そのような状況では「何が正解になるか」もまた曖昧になります。

前例を踏襲しても成功に結びつくことは少ないでしょう。長期的な予測は不可能で、5〜10年先を見通すことすら難しい時代です。常に最善の選択肢を探し続けなければなりません。曖昧性を打破するために、過去の成功や業界の垣根、ルールなどに縛られずに柔軟な発想を持たなくてはなりません。

VUCAに対応できなければ競争から脱落していく

ずっとあると思っていたものが、ある日突然変化するのがVUCAワールドです。日本の大企業SHARPが、2013年4月に台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に買収されたのは衝撃的でした。100年以上の歴史を持ち、電卓を発明し、テレビや冷蔵庫などの家電で日本の生活を支えてきたSHARPが海外企業に買収されたのです。

大企業であっても時代が変化するスピードについていけなければ、競争から脱落してしまいます。SHARPは液晶パネルの納入先を増やすために中国進出を試みました。業績を立て直して買収を防ぐためです。しかし、現地の液晶パネルメーカーのとの競争に敗れています。最大の敗因はスピード感。SHARPがパネルの設計変更に4ヶ月かけていた仕事を、中国のパネルメーカーは2週間でやっていたそうです。

SHARPには積み上げてきた仕事の仕方があったのでしょうが、スピード感を重視する中国のスマホ市場にはマッチしていませんでした。変動する状況に対応できなかったことが鴻海に買収されてしまった最大の要因でしょう。

VUCA時代を生き残るための5つのアクション

激変するビジネス環境と合わせてVUCAについて解説してきました。前章ではVUCA時代に対応できずに失敗した企業の例を出しましたが、個人としてもVUCAに対応しないと時代に取り残されてしまいます。

最後に、個人としてVUCA時代を生き残るための5つのアクションを紹介していきます。

アンテナを広く張って情報収集をする

VUCA時代では世界のあらゆる場所でイノベーションが生まれて、社会や経済、生活が変化しています。アンテナを広く張って、情報を集めましょう。

最新情報にキャッチアップできている人は、時代の変化に敏感に気が付けるはずです。変化に柔軟に対応できる姿勢がVUCA時代に生き残るためには必要です。また、情報収集をしていれば、新たな気づきを得られる機会が多いでしょう。もしかしたら新しいビジネスを自分で作り出せるかもしれません。

アイデアがあれば即実行

とにかく変化するスピードが早いVUCA時代では、思いついたことをすぐに実行できる行動力が重要です。アイデアがあればまず試してみる。失敗したらすぐにやめればいいし、上手くいきそうであればそのまま続ければいいのです。

VUCAの時代では結果が求められます。いち早く成果を出せた人が生き残って活躍していくでしょう。失敗を恐れずに行動できる人が重視されます。なぜなら、慎重に石橋を叩いている間に環境はどんどん変化していくからです。

疑問を持ち続ける

VUCAの時代は常に曖昧で、正解がありません。常に疑問を持ちましょう。自分の常識、会社の常識、社会の常識に常に対して「本当にこれでいいのだろうか」と疑問を投げかけ続ければ、イノベーションを起こせるかもしれません。

ただし、全てを否定する必要はありません。「鳥の目と虫の目」をもって変えるべきものは何か、残すべきものは何かを判断しましょう。マクロな視点とミクロな視点で自分や社会を客観視することが大切です。

学び続ける

当たり前だと思っていたモノゴトや価値観が、ある日突然変わりうるのがVUCA時代です。自分の拠り所が少なければ、その価値観が崩れてしまったときに迷いが生じてしまうでしょう。時代に取り残されてしまわないように、何かを学び続ける必要があります。

まずは仕事に関わる「専門的フィールド」と趣味や関心を深める「知的なフィールド」で最低一つずつ学びを深めていきましょう。グロービス経営大学院主催のあすか会議2017「VUCAの時代に求められる「リーダーの視座」とは?~鈴木英敬×古川康×村田晃嗣×秋山咲恵」から同志社大学の村田晃嗣教授の発言を紹介します。

自分の職業や専門分野のフィールドとは別に関心のある知的フィールドを持っていると、点と点を結ぶと線になります。もう一つの点があると、線と線が結ばれて面積になる。その面積を我々は教養と呼んでいます。教養の幅を広げていくということが、今は無い職業に就つかなければならないときや、どんどん世の中が変わっていくときの対応性を高めるのではないか。

出典:VUCAの時代に求められる「リーダーの視座」とは?~鈴木英敬×古川康×村田晃嗣×秋山咲恵|GLOBIS知見録

村田教授の発言をライターが一部抜粋

専門的フィールドと知的フィールドで学びを深めていれば、時代の変化に対応できる地力がつきます。村田教授はこれを「教養的余裕」と呼んでいます。変化が激しい時代だからこそ、すぐに役に立つ技能を身につけたくなるかもしれません。しかし、有用な技能だけを学ぶのではなく、自分の知的好奇心を満たす学びも重要です。

明確なビジョンを持つ

曖昧で先が見えないVUCAの時代では、自分は何に興味があって何をしたいのかをしっかり理解していなければなりません。自分の軸をしっかり持っていれば、変動しやすく、不確実で、曖昧な時代でもブレずに行動できるでしょう。

10年先を見通すことが難しい時代なので、ビジョンが正解でなくても問題ありません。大切なのは自分なりの将来像を持っていることです。ビジョンを叶えるために情報を取捨選択し、柔軟に行動を変えていけば、VUCA時代を生き抜けるはずです。

 

 

 

VUCAとはなにか、VUCAの時代で生き残るためにはどんな行動が必要かを紹介してきました。最後に経営学者のピーター・ドラッカーの言葉を引用します。

“The best way to predict your future is to create it.”

未来を予測する最良の方法は、未来を創ることだ。

―Peter Drucker

先の見えないVUCA時代だからこそ、未来を自分で作り出しましょう。そうすれば、変化する時代に取り残されずに生きていけるはずです。

最終更新日
2018.09.07

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