自分らしく働く
2018.08.27

ワークアズライフとは超AI時代を生きるための新しい生き方

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BY 川村大和

AI(人工知能)が人間の知性を超え、両者の能力が逆転する「シンギュラリティ」が、2045年に訪れると言われています。メディアアーティストの落合陽一氏は、自著『超AI時代の生存戦略――シンギュラリティに備える34のリスト』(大和書房、2017年)の中で、シンギュラリティに到達したあとの世界で生きるためには「ワークアズライフ」の考え方をしなければならないと論じています。

この記事では落合氏が提唱するワークアズライフとは何か、ワークアズライフを実践するために必要なことを解説していきます。

ワークアズライフとは?

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落合氏が提唱するワークアズライフを極端に噛み砕くと、「睡眠以外の全ての時間が仕事であり趣味である」と説明できます。シンギュラリティが訪れたあとの超AI時代を人間らしく生きるために必要な考え方です。

超AI時代とは?

テクノロジーが極端に発達して、AIが人間の知性を超えるシンギュラリティに到達する時代。超AI時代では、既存の技術や価値がコモディティー化する。

コモディティー化

市場参入時には高付加価値を持っていた商品が、普及段階における後発品との競争のなかで、その機能の優位性や特異性を失い、一般消費財のように定着していくこと。

出典:コモディティー化|コトバンク(知恵蔵の解説)

あらゆるモノ・コトがコモディティー化する超AI時代では、多くの職業がAIやロボットに置き換えられていきます。会計士や銀行員、弁護士、経営コンサルタント、事務員、タクシー運転手などさまざまな職業がなくなっていくでしょう。(参考:日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に

次にコモディティー化するのは自分の仕事ではないか、という不安があとについてくる時代です。落合氏は超AI時代を「差別化した人生価値を仕事と仕事以外の両方で生み出し続ける方法を見つけられたものが生き残る時代だ」と述べています。

仕事(ワーク)と仕事以外(ライフ)の両方で価値を生むためには、ワークとライフの境界をなくし、全ての時間がワークかつライフである「ワークアズライフ」の生き方が必要です。

ワークアズライフは睡眠以外の全ての時間が仕事であり趣味という概念です。この「趣味」という部分が重要です。たとえ睡眠以外の全ての時間で働いたとしても、自分の興味があることや好きなことで仕事をしていけば、ストレスを感じずに働けるという考えだからです。

ワークライフバランスとの違い

ここで、ワークライフバランスとの違いを確認しましょう。内閣府によると、ワークライフバランスは「仕事と生活の調和」を目指しています。この考え方は、仕事の時間をストレスと捉えている前提で、辛いことは生活と分けなければならないと考えています。仕事(ワーク)と生活(ライフ)を明確に区別しています。

ワークライフバランスは「タイムマネジメント」で生活をとらえています。例えば、残業が禁止された場合、「8時間は仕事の時間で、残り16時間はプライベートと睡眠時間」という考えです。

しかし落合氏は、ワークアズライフの時代では「ストレスマネジメント」が必要と述べています。

タイムマネジメントからストレスマネジメントの時代へ

ワークアズライフの時代では、「ストレスマネジメント」が重要です。仕事を「ストレスフルな仕事」と「ストレスフルでない仕事」とに分けて考えています。極論を言えば、ストレスを感じない仕事なら一日中仕事をしていても問題はありません。労働時間の長短ではなく、いかにストレスを感じずに働けるか。その結果、成果を生み出せるかがとにかく重要です。

自分がやりがいを感じる仕事であれば、ストレスを感じずに働けるはずです。そして時間を忘れて何かに打ち込んだときに、他人と差別化された価値を生み出せるはずです。

ただし、なにかに熱中して働き続けるためには、自分が好きなことや興味があることを仕事にする必要があります。次の章で、好きな仕事に打ち込んで、ワークアズライフを実践するために必要なことを紹介します。

ワークアズライフを実践するために必要なこと

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自分の好きなことを仕事にし、価値を生み出すためには戦略を立ててスキルを磨いたり、苦手なことは人に任せたりする必要があります。「好きだからとりあえずやってみた」で成功するほど世の中甘くありません。やりたいこと、好きなことを明確にすると共に、今の自分には何が足りないかも把握しておくべきです。

戦略を立ててスキルを磨く

戦略を立てて自分だけのスキルを磨けば、価値を生み出しやすくなるでしょう。また一つのスキルだけよりも、複数のスキルをもっている方がワークアズライフを実践しやすくなります。落合氏は「百姓的な」生き方を目指すことを勧めています。

「これからの社会は、AIにより仕事が奪われると言われる時代です。しかし、『どの職業がダメになるか』と捉えるのではなく、『コミュニティをどのように変えたら、次の産業革命を乗り越えられるか』を考えることのほうが本質的な問題です。その点、百姓というのは、百の生業を持つことを意味していますから、複数のコミュニティを自由に行き来できる生き方のことです。これまでの近代的な枠組みの中で一つの仕事に埋没するのではなく、多様な生き方があったほうがいいと考えています」

出典:日本再興戦略(Newspicks Book)|落合陽一著、2018年、幻冬舎

江戸時代の百姓は農業をしながら、左官や髪結い、畳屋などを営み、複数の仕事を兼業していました。これからの時代でも、複数の仕事をこなせる専門的なスキルを複数持つことが求められています。

「専門スキル×専門スキル」で独自の価値を生み出せれば、コモディティー化する余地がなくなるはずです。そのためにはまず、一定の分野で専門性を高めましょう。一つの分野で突き抜けることができたら、別の分野の専門性を高めていきましょう。

戦略的にスキルのポートフォリオを構築し、自分にしか生み出せない価値を見つけることが重要です。

落合陽一氏の百姓的な生き方
  • 筑波大学の教員であり学長補佐、研究者
  • メディアアーティストとして活動
  • ピクシーダストテクノロジーズ株式会社を経営
  • オンラインサロン「落合陽一の休日研究室(ラボラトリー)」を運営

落合氏は会社を経営し、その利益の一部を大学の研究費に充てています。大学では「デジタルネイチャー」を研究し、その成果をメディアアート作品を発表。アーティストとしても活動しています。様々なスキルをかけ合わせて活動して、様々な場所で活躍しています。

デジタルネイチャーとは

人間、自然、デジタルリソース(コンピューター)がシームレスにつながり合う世界観

落合氏のポートフォリオはとてもレベルが高いです。そのため、いまいち百姓的な生き方を想像できないという方もいるのではないでしょうか。参考までに筆者のポートフォリオを紹介します。

筆者の百姓的な生き方
  • ライターとして、キャリアや働き方系のテーマで企画・取材・執筆・編集
  • カメラマンとして、イベントやインタビューの写真撮影
  • ストレッチトレーナーとして、お客さまの体の不調を改善

筆者は現在ライターとしてインタビューや記事執筆をメインで行っています。カメラの勉強もしていたので、企画から取材、記事化、編集までは一通りこなしています。ただし、日本には非常に多くのライターがいるので、差別化した価値を生み出すことは難しいでしょう。

例えば、ライターとしてのスキルに、ストレッチトレーナーとしてのスキルをかけ合わせるとどうでしょう。「人の体に詳しいライター」という強みが一つ増えます。しかしまだまだ差別化は不十分。ライターとして専門性、ストレッチトレーナーとしての専門性を高めた後に、私が次の専門性を高めるとしたら「カウンセラー」のスキルを選びます。

カウンセラーとして心の悩みを緩和できるようになれば、「体と心の問題を解決できるライター」という独特な存在になれるのではないでしょうか。

重要なのは自分ができることから始めること

もしあなたがこれからスキルを磨いて、ポートフォリオを作るなら、自分ができることから始めましょう。今は、テクノロジーの発達速度が人間の学習スピードより早い時代です。そのため、「自分らしいものを考え込んで見つけて、それを軸に自分らしくやっていこう」という考え方が必要です。

自分らしさを探して、自分がやりたいことを探していると時代に取り残されるのです。落合氏は「やったことによって自分らしさが逆に規定されていきます」と述べています。まずは自分ができる身近なことから手を動かして実践していきましょう。

苦手なことは人に任せる

苦手なことを無理してやろうとしてもストレスが溜まるだけです。しかし、自分が苦手なことを得意にしている人が誰かしら居るはず。苦手なことは他の人に任せて、自分の得意なことに集中すれば、ストレスを感じずに働けます。

例えば、事務仕事が苦手でストレスを感じるのであれば、その仕事を他の人にアウトソースすればいいという考え方です。

 

落合陽一氏が提唱するワークアズライフの概念について解説してきました。シンギュラリティ後の超AI時代を生き残るためには、コモディティー化されない自分だけの価値を生み出す必要があります。戦略をもってスキルを磨きましょう。ワークアズライフを実践できれば、自分らしく生きていけるはずです。

最終更新日
2018.08.27

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