ワーケーションとは、旅をしながら旅先で仕事をする働き方です。今は、テクノロジーが発達してどこでも働けるようになったため、休暇のスケジュールに仕事を組み込んで働くワ―ケーションが広がってきています。
ワーケーションとは何か、メリットや注意するべき点などを解説していきます。時間や場所にとらわれずに仕事ができるようになれば、より柔軟に自分らしく働けるようになるでしょう。
目次
ワーケーションとは
ワーケーション(Workcation)とは、旅先で休暇を楽しみながら仕事に取り組むワークスタイル。仕事(Work)と休暇(Vacation)を組み合わせた造語です。。
アメリカでは2015年頃から広がっていて、バケーションを過ごすリゾート地で特定の時間だけ仕事をしている人が多いそうです。仕事をしている間は勤務時間として見なされるので、給料が支払われます。
日本ではJALがワ―ケーション制度のトライアルを2017年に実施しました。まずはワーケーションはどんな制度なのかをJALの制度を参考に紹介していきます。
JALのワーケーションの制度
JALは2017年にテレワークを推進する働き方改革の一環として、ワーケーションの試験運用を実施しました。運用期間は2017年7月から8月までの2ヶ月間。そのうちの最大5日間でワーケーションを認めています。
パイロットや客室乗務員、航空整備士などを除いた社員が対象で、希望者は国内や海外に関わらず、ワーケーションを認められました。半日単位での利用が可能。働いている時間は勤務扱いなので給料はしっかり支給されます。ただし、溜まった仕事を休暇に持ち込むためにワーケーションを利用するのは禁止されています。
JALがワーケーションを認めているのは以下の2つケースです。
- 長期滞在型ワーケーション:長期休暇の予定を立てる際に、あらかじめ仕事をする日程を組み込むパターン
- セーフティネット型ワーケーション:予定していた長期休暇の期間に急きょ仕事が入ってしまったときに、旅先で緊急の仕事のみを行う
JALは、試験運用の結果を見てワーケーションの制度を存続させるかどうかを決定すると発表していました。現在、試験運用から1年がたちましたが、ワーケーションを制度として導入するどうかは発表されていません。
ワーケーションのメリット
ワーケーションがあれば「長期休暇を取りやすくなる」「仕事の効率が上がる」「旅先の経験が仕事に活きる」などのメリットがあります。
長期休暇を取りやすくなる
旅行や帰省の予定を立てていても、急な会議が入ってしまって予定をキャンセルせざるを得なかったという人も多いのでは? ワーケーション制度を利用すれば、旅行を諦める必要がなくなります。
また、有給休暇とワーケーションを組み合わせて、旅の予定に仕事を組み込むこともできます。
- 8月10日→有給休暇
- 8月11日→有給休暇
- 8月12日→ワーケーション
- 8月13日→ワーケーション
- 8月14日→有給休暇
- 8月15日→有給休暇
「旅行に行きたいけど、仕事があるから無理だ」と長期休暇を取ることを諦めている人もいるでしょう。そんな人でも長期休暇をとりやすくなります。有給休暇を使えていない日本人も、ワーケーションがあればもっと休みやすくなるのではないでしょうか。
仕事の効率が上がる
ワーケーションがあれば長期休暇を取得しやすくなるので、リフレッシュできるはずです。旅先で仕事をしているので、業務後にご当地グルメを味わったり観光できたりするでしょう。心と体がしっかりと休まれば、日々の仕事にも集中して取り組めるようになるはずです。
旅先の経験が仕事に活きる
旅行では、訪れた国や地域で、普段とは異なる体験をする機会が増えます。滞在先の人との出会いや交流で刺激を受けられるでしょう。今まで自分では思い浮かばなかったようなアイデアが生まれ、仕事に活かせるかもしれません。
ワーケーションで注意したいこと
ワーケーションのメリットを上げてきました。長期休暇を取りやすくなる素晴らしい制度だと思いますが、注意しておかなければならないことがあります。「オンとオフの切り替え」と、「労働環境の整備」です。それぞれ詳しく説明していきます。
オンとオフの切り替えできないと逆に疲れるかも
ワーケーションは休暇の合間に仕事をする働き方です。もちろん仕事ではしっかり成果を残すことが求められます。オンとオフの切り替えを上手くできなければ、しっかり休めずに、逆に疲労感がましてしまう可能性があります。
労働環境の整備は自分で行わなければならない
ワーケーションの際には、インターネットの接続環境を確保しなければいけません。メールや電話、Web会議、データの送受信など、旅先でもネットワークが必須です。
自分でWi−Fiを用意する、旅先であらかじめコワーキングスペースを探しておくなど、ワーケーションの準備をしておきましょう。
ワーケーションのための施設が増えている
海外ではワーケーションを利用する人を受け入れるために、リゾート地にコワーキングスペースが増えています。インターネット回線を完備した環境があれば、旅先でも安心して働けます。リゾート地のコワーキングスペースは、働きながらリゾートらしさを味わえる場所も多いです。
働きながらもリフレッシュできるコワーキングスペースを紹介します。
Hubud/バリ島(インドネシア)
インドネシアのバリ島にあるコワーキングスペース「Hubud」は竹をふんだんに使った開放的なコワーキングスペースです。ビーチも近く、気軽にリフレッシュできます。
The Hub Singapore/シンガポール
「The Hub Singapore」は、有名ショッピングエリアのOrchard Roadの近くにあります。共有デスクがメインですが、電話をかけられる場所があったり、集中スペースがあったりします。開放的な空間で働いた後にショッピングを楽しめます。
Coworker’s Kitchen/逗子
実は日本のリゾート地にもコワーキングスペースができています。逗子駅から徒歩一分の場所にある「Coworker’s Kitchen」です。キッチンが併設されているので、仕事をしながら料理も楽しめます。
Coworker’s Kitchenから海まで徒歩10分という立地も嬉しいところ。海外に行くのはハードルが高いという人は、伊豆でワーケーションをしてみてはいかがでしょうか。
ワーケーションの特徴やメリット、注意点などについて説明してきました。働き続けるためには、心と体を休める期間が必要です。日本ではまだ馴染みの薄いワーケーションですが、今後は広がっていくのではないでしょうか。